邪神大地を割る
「何だ一体この衝撃!」
ポートサスは恐れた。
「こ、コプロサスが怒っている?」
「コプロサスが?」
クラビはきっと見上げた。
かなり厄介な事になったと言う表情だ。
ドン! と世界がひっくり返ったかと思う程の振動と音がしてまた地面に巨大な足跡の様な跡がついた。
深くめり込んでいる。
そこからひびが漏れている。
皆はぞっとした。
それは皆を死の恐怖に導いた。
何とか流れる汗に耐えマークレイとボジャックは言った。
「アンドレイも強いが、攻撃方法も全く違う。姿も見せないし」
「そいついないじゃないか。姿を消してるのか?」
アンドレイは答えた。
「馬鹿か? コプロサス様は神だ、天の遥か上にいるのよ。貴様らなんぞにお姿を見せる必要もない!」
また、天地がひっくり返らんばかりのの激しい地震が起きた。
「何だ? 地震魔法でも使ってるのかコプロサスって奴は?」
アンドレイは馬鹿にして笑った。
「馬鹿か? 魔法等と言う様なせこい次元ではない。ただ天の上から手を下しているだけだ。そもそもこの地も天も海も全てコプロサス様の物だ。地面をへこませることなど容易い事だ。雷を呼ぶことも出来る!」
すぐさま空気や空間を切り裂かん勢いで巨大な雷が落ちて来た。
出所が雲の上からの様で全く計り知れない。
アンドレイは皆が怯えるのを見て歓喜の表情で叫んだ。
「はーっはっは! お前達はもう終りだ! ついにコプロサス様を怒らせたのだ」
ボジャックは不安な顔を見せた。
「お、おい暗雲が空に垂れこめているぞ」
スタグラーは言った。
「ここは逃げるんだ、人間の勝てる相手ではない」
「か、神?」
ポートサスも言った。
「逃げるんだ、皆私が食い止める」
「逃げるってどうやって」
「とにかく思った方へ、自分の考え付く限りに逃げるんだ。私はアンドレイを食い止める。コプロサスは食い止められないかも知れないが」
ボジャックは聞いた。
「クラビはどうする?」
「逃げる訳に行かないだろう」
ポートサスは止めた。
「よせ、クラビ」
「コプロサス、出て来い! 姿を現せ!」
「よせ! 挑発なんてするな」
アンドレイは皮肉をまじえ笑った。
「馬鹿か? あの御方を呼び込むとは」
しかしまたあまりに強大過ぎる圧が大地を襲い、大地が激しく踏まれへこんだ。
そして今度はクラビを威嚇するかのように天から稲妻が落ちた。
「俺も一緒に叫んでやるぜ」
「ミッシェル」
「出て来い! 俺達は逃げも隠れもせんぞ!」
「馬鹿が」
突如ミッシェルの体を物凄い圧が包んだ。
紐や鎖で縛ると言うよりもコプロサスが巨大な手で掴んだ感じだ。
巨大な悪魔の様な手だけが姿を現しミッシェルを握り潰そうとしている。
「ぐああああ!」
クラビ達は何とかこれをミッシェルから外そうとした。
しかし手ごたえの様な物がない。
「ぐああああ‼」
普段あまり弱みを見せないミッシエルがこれ程苦しむのは初めてだ。
「まだコプロサス様は本気で握っていないぞ。じわじわと全身の骨を砕かれて死ね!」
その時アンドレイにポートサスが飛び掛かった。
「ぐあ」
二人は地面に転がった。
「何のつもりだ貴様」
「貴様と共に自爆する」
ドン! と言う音がして爆発が起き二人を包んだ。
「ポートサスさん!」
二人は焼けこげて倒れた。
しかし、まだ二人共息があった。
ミッシェルは僅かに残った力を絞り出して言った。
「クラビ……ポートサスさんにエネルギーを注入して助けてくれ。俺は負けない!」
「し、しかし!」
クラビは迷ったが、遂に体から勇者の光が激しく出た。
「うおおおお!」
「クラビ!」
「どちらか救うなんて俺には出来ない! 二人共助けて見せる!」
そしてミッシェルを潰そうとするコプロサスの手を無理やり引きはがそうとした。
「うおおお!」
全ての力を込めるクラビ。
ほんの僅かずつ隙間が空きそうになった。
「俺もやる! 俺はリーダーだからな!」
マークレイも必死に手を外そうとした。
ボジャックも続いた。
マークレイは続いた。
「俺は銃を持ってるんだ! 隠してたんだ!」
「え?」
「前試作型火縄銃を孤児に向けて来た警備隊いたろ」
(八十三部分参照)
回想に入る。
警備隊はマークレイに銃を放った。
「うおおお!」
隙をついてマークレイは膝蹴りを食らわして銃を奪った。
「あ、それは!」
「これはもらうぜ」
そう言って去った。
「以後俺は銃をいざという時に使う為保管していた。しかし段々と怖くなり捨てるのももっと怖くなった」
回想を終わる。
「俺は奪った銃を保管してるからいずれ捕まる。だからせめて捕まるまでは昔皆のリーダーだった時の様に皆の為命を賭けたいんだ。俺がそうしたくてやってるんだ!」
光を帯びたクラビは全力でコプロサスの手をひっぱがそうと渾身の力を込めた。
「俺は、負けない!」




