表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

142/223

ポートサスの覚悟

 クラビは前に出た。

「僕が相手をします」


 アンドレイはクラビが相手でも動じなかった。

 前に戦った自信とまた違う、誰でも来いと言う雰囲気だ。

「ふん」

 しかしポートサスは前に出る


「いや、私がやる」

「しかし」


「君は逃げろ」

「えっ?」


 意外な申し出にクラビは戸惑った。

 またクラビを「君」と呼んだ事も戸惑いの理由だった。


 ポートサスの顔にはいつもの鬼の様な厳しさがなく、クラビに分かってもらおうとする必死さがあった。

「君は我々の希望だ。今万一の事があってはまずい」

「それはポートサスさんだって同じ事でしょ」


 またポートサスの表情が穏やかになった。

「……私は君達を育てるのが役目だ。ただそれだけだ。それしか出来ない」


 アンドレイが口を挟む。

「当然だ、貴様ら神官は何年も前に表の建物ごと大勢殺したからな」

「え?」


 ポートサスは説明した。

「そうだ。我々が国家を転覆させようとしていると言う真っ赤な嘘を名目にしてサブラアイム兵達が乗り込み建物を破壊し三十人以上の我々神官を殺したんだ」


 アンドレイは憎々し気に入った。

「あのぼろぼろの建物は住み心地は良かったか。貴様らがサブラアイムの土地でデュプス教の力を蓄え我々を倒そうとしていたから芽を摘んでおいたのよ」

 

 クラビは睨んだ。

「卑劣な事を」


 アンドレイは続ける。

「三人では何も出来ないと思っていたが最近貴様らが妙に力を付けていると聞いたのでな。私が直々に殺しに来たのよ。言っておくが兵は勿論幹部もいないぞ。隠れているなんて筋書きは無しだ」


 ポートサスは突っ込んだ。

「焦っているのか」

「何?」


 ポートサスは続ける。

「別に私達三人でなくクラビ君達が力を付けている事を」


 その話し方にクラビは戸惑った。

 クラビ「君」?

 それに達って、皆相手にしないって言ってたのに。


「クラビ君、逃げろ。我々はそれが役目だ」

 ポートサスはもはや逃がす事しか頭にないような雰囲気だった。


 アンドレイは戦いを開始しようとする。

「雑魚が」


「行くぞ!」

 覚悟を決めポートサスは切りかかった。


 剣には特訓の時の様な異常な他者への厳しさは消え、全てを背負う覚悟が目にあふれていた。

「ふん」


 一撃目を軽く受けるアンドレイ。

 クラビは言った。

「俺もやります」


 しかし

「ぬん!」


 ポートサスは念でクラビの動きを止めた。

「な、何で」


 アンドレイは怒鳴った。

「敵に後ろを見せるな!」


 切りかかるアンドレイをポートサスは何とか振り向いて防いだ。


 アンドレイの攻撃は続く。

「くっくく そら」

 

 まるでからかう様に剣を出すアンドレイ。

 必死で防ぐポートサス。


 アンドレイは嫌味を言った。

「早くも防戦一方だな」

「私は必ず貴様を倒す」


 力を絞り出し立ち向かうポートサス。

 渾身の振りかぶり切り。

 大味な横切り。


 その必死さを笑うアンドレイ。

「さてとこれで行くか」


 アンドレイは角と牙を出した。

「まずい!」


 クラビは前に出ようとした。


「はっはっは!」

 更にスピードが上がったアンドレイは遊びの様に攻める。

 しかしその速度は凄まじい。


 ポートサスは念を切った。 

 アンドレイの胸で爆発が起きた。


「ふん」

 しかし全く効いていない。

「諦めろ」


 クラビは言った。

「もう我慢出来ない、何でそんなに僕を出させないんですか! 今戦わなくていつ戦うんですか! 勇者の生まれ変わりなら今が戦う時だ!」

 クラビの体が光り始めた。


 しかしポートサスは止める。

「だ、駄目だ」

「何故です!」


「奴より、アンドレイより遥かに強い奴が上にいるからだ」

「え? 遥かに強いって」


 アンドレイは笑った。

「あーああ口が軽いな。そうだ私は不死身だ。何故なら私が使えるサブラアイムの邪神コプロサス様から無限に力を貰っているからさ」

   



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ