仲間達の怒りと叫び
ベルスは怒鳴った。
「な、何でだよ!」
「足手まといだと言ったろう」
「足手まといだと? 俺達を散々倒れる程しごいていらないって何なんだよ物みたいに扱いやがって」
ボジャックも続いた。
こらえた上で低い声を出した。
「俺も声を荒げるぜ。俺は最後までクラビと運命を共にしてやる。あいつが王様になったら家来でも従僕でも、いや奴隷でもやるぜ。あんたには気持ちが分からないだろうが」
「……」
「それに俺は中途半端は大嫌いなんだ。最後までやらなきゃ意味ないだろ」
ゾゾも続いた。
「俺もいつも皆に気を使ってるけど、今日は言わせてもらう! 確かにあんたは俺に戦う理由がないとか弱いとか言ったけどでも良いじゃないか明確に守る人とかがいなくたって! 俺が戦いたいって言ってんだからいいじゃんよ! 気持ちは誰にも負けないつもりだ!」
マークレイも言った。
「俺も平和の為に戦いたい、そうなりたいと思って戦って来たんだ。元リーダーとしてここで逃げるなんて出来る訳ないだろ。ボジャックも言ったが俺だって中途半端は嫌だぜ」
ポートサスは冷たく言った。
「駄目だ」
ボジャックは言い返した。
「なら、クラビの弾避けになってやる。どんなに弱くても最低弾避けにはなれんだろ」
「……」
胸に手を当てマリーディアは強く言った。
「私も、最後まで行きます! クラビが行くんなら!」
あまりのストレートさに皆呆然とした。
「ええ……」
必死に釈明した。
「あ、その『平和の為に最後まで戦いたい』って意味ですよ! 別にクラビと一緒じゃなきゃ嫌とかじゃなく」
ジェイニーも前に出た。
「私は女だからマリーディアの気持ちわかるわ。女の気持ちも少し考えて下さい。私は足手纏いだからここで待つけど」
ミッシェルはじっと黙っていた。
クラビは悩まし気な顔をしていた。
ポートサスは聞いた。
「でも、お前達は一人で幹部クラスの強敵を倒した事はあるか?」
「ないです」
ポートサスは聞いた。
「城には相当な使い手が大勢いるらしい。そいつらと一対一で戦えるくらいでなければ駄目だ。クラビを当てにしては」
「してません」
「さっき『弾避けになる』と言ったな。では逆にクラビがお前を庇ったらどうするんだ」
「あ」
しかし、マリーディアは叫んだ。
「私は! 足手まといにならない!」
「……」
ポートサスは説明する。
「後十日ぐらいしか時間がない。一気に決着を付けないとサブラアイムとデュプスが戦争になってしまう」
クラビはようやく口を開いた。
「俺も皆と行きたいですよ。俺がここまで来られたのは皆のおかげで俺は助けられてるだけだ。だから俺もこれからも皆に助けられたい」
しかしクラビは考えていた。
もしかしてポートサスさん達は皆を死なせない為に?
しかし口には出さなかった。
「……クラビだけ闘技場に上がれ」
そしてまた三対一の戦いが始まった。
「我々の攻撃を受け止めろ」
三人は剣の閃光を同時にクラビに放った。
これを正面から受けるクラビ。
「はあ!」
すぐさまクラビは弾き飛ばした。
「後数日で私達とクラビはサブラアイム城に乗り込む。見たろ、クラビはお前達よりもう遥かに強くなっているんだ」
「それでも付いて行く!」
「俺も!」
「俺もだ!」




