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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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神官の謎と神の闘技場

「何だと神官?」

 思わずグラウトマンは言った。


 周囲が騒然となった。

「あれが神の闘技場の神官様」


 グラウトマンはにやりとした。

「神官様自らお出迎えですか」


 男は表情を変えなかった。

「そうです。これ以上お客様、いえ弟子になる方たちを放ってはおけません」

「笑わせる」


 グラウトマンは瘴気を発したが神官はすぐさま杖から聖なる光を発して相殺した。

「ぬっ」


 グラウトマンは体勢を立て直した。

「こしゃくな」

 グラウトマンと神官の二発目もぶつかり合う。


 マークレイは驚いた。

「す、すごい力だ。おっと感心している場合じゃない」


 しかし、突如丘の上にイフリートとケルベロスが2匹ずつ、ゴブリンが五匹現れた。

「くっ、まだ伏兵が」


 グラウトマンは叫んだ。

「イフリート! まず勇者をやれ!」


 イフリートは命令通り飛び上がると二体で力を合わせて直径二メートルはある火のボールを作り出した。


 そして当惑するクラビに向けボールを放った。

「ぐあ!」


 クラビは避けることが出来ずボールに包まれてしまった。

「やれ!」


 そのボールは爆発型でなく相手を包み込む物だった。

 グラウトマンの指示通りに二匹はクラビを包んだ火球の両側へ移動し口から灼熱の火炎を吹きかけた。


「ぐああ!」

「クラビ!」

 救おうとしたマリーディアだったがそれをゴブリンたちが塞いだ。


 激しい炎をクラビが包みイフリートは放出を止めない。

「ぐ、ああ」


 そしてボジャック達も毒で死にそうだった。

 グラウトマンと神官の戦いは五分だった。

「中々やるな」


 すると今度は若い女性と太った男性の神官が出て来た。

 隙を見て青年神官はボジャック達に聖なる光を投げ毒を中和させた。

「三人も出て来たか」


 一方火に包まれたクラビだったが、急速冷却スキルで中和していった。

「うおおおお!」 

 そして内側からボールを吹き飛ばした。


 イフリートは驚いた。

 そしてクラビはボールから脱出し瞬く間に二匹を切った。

 その間三秒もなかった。


「ぬっ!」

 グラウトマンは焦った。

 勇者の力がここまで上がっていたとは。


「撤退だ」

 とグラウトマンは転移魔法を使う魔法使いに言い、テレポートしようとした。

 

 そこへクラビが切りかかった。

「ぬおお!」


「ぐあ!」

 グラウトマンは背中を切られた。


 クラビはグラウトマンを羽交い絞めにした。

「神官さん攻撃を!」

「よし!」


 と聖なる光を発射するとグラウトマンに見事命中した。

 焼けこげる様にグラウトマンは倒れた。


「やったか」

 しかし、それは演技だった。


 グラウトマンは素早く魔法使いの転移魔法で逃げた。

「くそ!」


「今は深追いするのはやめよう」

 と若い神官は言った。

「神の闘技場へ行きましょう」


「私はポートサス」

「私はミルダ」

「私はシンバス、勇者クラビ様の一行だね、御足労いただきありがとう。神の闘技場へ行こう」


 ヒールの魔法で一行は傷を癒した。

 そこから五分ほどでようやく着いた。


 そこは一見したところ廃墟の様な外見だった。

 建物ではなく柱や壊れた壁が並んでいるだけだ。

「あれ?」

 

「驚いたかい? ここは廃墟のようにみすぼらしくないとサブラアイムに目をつけられてしまうからだ」

「攻め滅ぼされた様な神殿ですね」


 そして地下に通じると思われる階段があった。

「ここから地下に入れるよ。ここが本拠地だ」

「え?」


 何と、階段を降りるとそこには広い地下闘技場があった。

「ええ?」


 ポ-トサスは言った。

「さあクラビ君、今から修行を始めよう。まずは剣を持たず君が闘技場に上がれ」

「はい……」


 クラビは戸惑った。

「相手は誰がいいかな?」

「じゃあ、マークレイ」


 まだ戸惑いがあったがマークレイも行った。

「準備OKかな? じゃあ始めるよ。これから二人で殴り合うんだ。倒れるまで」

「え?」

「聞こえなかったかな? 倒れるまで殴り合うんだ」




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