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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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勇者になるには

 アンドレイは玉座で嘲笑っていた。

「呪いの魔札を受けた兵達を倒せるかな、くっくっく。奴らはもはや死を恐れていない、失うものはない。それだけでない。勇者一行にはどうしても捨てられない『甘さ』がある。これがある限り兵達に迂闊には止めを刺せず躊躇するだろう、だがこちらの兵は失う物がない。どちらが有利かは明白だ」


 マークレイは少し戸惑いながらサブラアイム兵に剣の閃光を放った。

 しかしいつもの威力がない。


 メッサー・ディルゴはにやりとした。

「どうした? 威力がないぞ」

「くっ」


「ひょっとして躊躇しているのか?」

「そんな事は!」


 今度は倒そうと閃光を再度出した。

 しかしそれでも威力は下がり致命傷を与えられない。


 マークレイは悩んだ。

 こいつらは操られて倒れても向かって来る。

 だから完全に倒すしかないと言うのか。


 そして止めを刺し損ねた兵が特攻するように走り込んで来た。

 マークレイは対応が間に合わない。


 そこへ後ろからベルスが光の矢を投げつけ事実上息の根を止めた。

「ベルス……」

「お前の気持ちはわかる。俺だって辛い」


 マークレイは思った。

 俺だって辛い。敵とは言え何か他に手はないのか。

 だが考えている間に隙が生まれる。


 向こうは恐れさえないんだ。


 ミッシェルは相手の腹に当身をした。

 しかし兵士はにやりと笑った。

「当身などきくか!」


 すぐ動いた兵にミッシェルは切られた。

「くっ、すぐに命は俺は奪わない」


 と言って拳を叩き込んだ。

「これでも倒れない」


 も一人の兵にも渾身の拳を叩き込んだ。

「はあ、はあ、俺は諦めない。甘くても。操られている奴の命を簡単に奪う事は出来ない。何か方法があるはずだ」


 しかし兵はまだ向かって来る。

 やむなくミッシェルは念力で爆発を起こした。


 兵の胸が焼けただれた。

 しかしまだ倒れない。


 兵に同情したミッシェルはメッサー・ディルゴに怒りをぶつけた。

「貴様ら部下を何だと思ってんだ。こんな事をしてそれで国を統治か」


 メッサー・ディルゴは言った。

「こいつらは捨て駒だ。良い思いはアンドレイ様と幹部だけでいい」


 アンドレイは玉座で言った。

「あの捨て駒共は役に立ってそうだな。さて戦争の準備を」


 メッサー・ディルゴは言う。

「もうすぐ本格的な侵略をデュプスに行う。血の世界にする。戦争は避けられん。お前達が止める等笑わせるな」


 マークレイは思った。

 心を鬼にして葬って心で弔うしかないのか。

 だがこいつらの心の叫びや涙が聞こえる。


 再度マークレイは剣の閃光を出したがやはり威力は低い。


 兵は言った。

「俺達は血も涙もない」


 マークレイは返す。

「俺達は血や涙がある。人間の心で生きてるんだ!」


 マークレイは思った。

 クラビやマリーディアなら最後まで助ける方法を考えるだろう。

 

 クラビは勇者でマリーディアも近くなるだろう。

 あの二人は神に人格を認められたんだ。


 だが俺には思いつかない。

 いや倒した方が楽だと本心で思っている。

 だから俺はクラビより下なんだ。


 だがどうしても倒さなければならないと言うのなら倒す。

 俺は二人と違い邪心もいっぱいあり過去に悪い事もした。


 それも神に打ち明けて仲間にも知ってもらった。

 ならば

 悪の心があってもいい。


 それを受け止めるんだ。

 何もかも自分の中で。


 クラビの様に限りない聖人じゃなくても。

 俺だって神が力をくれたんだ。


「マークレイ、自分を信じろ! お前だって神に選ばれたんだ!」

 ミッシェルは励ました。

「俺だって勇者の切れ端ぐらいには!」


 ミッシエルは叫んだ

「俺は神に選ばれてない力だけのゴリラだがそれでも心と誇りは捨てない!」

 

 マークレイはアンカーを出した。

 しかしそこをメッサー・ディルゴは光線で狙い撃ちした。

 

 アンカーは壊れた。

 大破はしてないが。


「アンカーが!」

「くく!」


 ミッシェルは叫んだ。

「諦めるな! お前だって勇者だ! 今完全でなくてもいつかなればいいだろう!」


「俺の体にもクラビと同じ勇者の魂がある!」

 手の先をメッサー・ディルゴに向けた。

「うおおお!」

「何!」


「勇者の魂の砲撃ナパーム!」

 強力な光線がメッサー・ディルゴに発射され、命中した。

 爆炎に包まれる。

 

 メッサー・ディルゴはまだ動けたが言った。

「二度目の自己紹介は終わりにする。撤退だ」

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