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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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本気の覚悟の特訓

「はあはあ……」

 クラビは息も絶え絶えだった。


 何故自分を追い込み無理をするのか、それは苦労して来た為で知らず知らずそうしてしまうのだ。

 

 ボジャック、マリーディアも疲れているがクラビ程でもない。

 二対一と無茶をするのもクラビらしいと言うべきか。


 ボジャックは自分の為でなくクラビの為言った。

「明日に差し支えるからもうやめようぜ」


 しかしクラビは断った。

「あと三十分だけ」

 すがるような言い方で。


 しかし、考えを変えた。

「あ、時間じゃなくて素振りを百回やったら寝る」


「特訓の鬼」

「アンドレイを倒すのは俺なんだ。最近自覚が自分の中でより強くなってきてね」


「ここまで来たら引き返せないしな。勿論俺も最後まで付き合う。ただ一人で突っ走って先に死なないでくれ」


「縁起でもない事言わないで!」

 マリーディアは強く言った。


 本当は私もクラビに最後まで付いて言って死ぬ時は一緒に死にたい。

 でも口には出せない。

 

 こういう時何て言えば良いのか。

 男性同士で言うなら「固い男の友情」になるけど。


 クラビは木刀を構えて目を瞑った。

 すぐに振らずに精神集中している。


 勇者の記憶を思い出すんだ。

 思い出す努力をするんだ。

 しばらくすると勇者の記憶と人格がどんな物だったか映像の様におぼろげながら浮かんできた。


 魔物と戦っている姿。

 また、へこへこしていた使用人時代と違う勇敢で毅然としていた姿に。


 しかしクラビは思った。

 ただ思い出すだけでは「前に負けた自分」になるだけだ。

 だから過去に新しい自分をプラスするんだ。


 生まれ変わってからの俺は戦闘的でなかったけど最近は少し自信が付いた。

 なかったとしても努力で積み上げるんだ。


 アイムは言った。

「もう少しで新しいスキル『勇者の魂の放出』を学べるわ」


 クラビは振った。

 過去の自分を思い出す努力をしながら。


 十回、二十回。

 しかし二十二回で頭に痛みが走った。


「いてて」

 アイムは説明した。

「思い出そうとすると魔の封印が邪魔をして頭に痛みが走るのよ」


 ボジャックは言う。

「これまでの様に感情の変動とかで自然に目覚める方が無理がないんじゃないか?」

「嫌それだけじゃだめだ。自分からも掴みにいかないと」


 マリーディアはこの言葉に胸が動いた。

 クラビはさらに精神集中する。


「もう少し、もう少し。俺が魔物と戦ってる姿、ダンジョンに入ったり襲われた人を助けたり、そしてサブラアイムの城まで行って」


「はあっ、はあっ」

「あまりやり過ぎると今度は体の他の部位に影響が出るわ」

「でも新しいスキルがまだ身に付かない」


 と言ってもう少し素振りを続けた。

 すると体から光が出始めた。

「おお!」


「よし、これ位にする、後、マリーディアに一つだけ頼みたい、ごめん」

「何?」


「君のシールドブレスで俺の攻撃を受け撃ち返してくれ」

「そ、そんな!」


「頼む、これは君しか出来ないんだ」

「わ、わかったわ」


 そしてクラビは射出型聖剣を出す構えに入った。

 マリーディアは不安で一杯だった。


「容赦なく撃ち返してくれ! そうしないとためにならないんだ」

「うん」


「はああ!」

 そして遂に光が集められた。


 剣の形の光が飛ぶ。

 マリーディアは勇気を振り絞った。


 私が中途半端だとクラビも怪我をしてしまう!

 恐怖と戦ったマリーディアは遂に聖剣の光を受け止めた。

「ゆ、許して」


 そして威力が増大した聖剣がクラビに帰って来た。

 クラビは目を背けない。


 そして命中し、クラビは爆発に包まれた。

 爆炎が消えるとクラビは心臓近くの胸を貫かれていた。

「急所は外してる 新しいスキルも獲得した」


「クラビ!」     

 クラビは涙を流すマリーディアの体の中に気を失い倒れた。

  


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