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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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メッサ―・ディルゴ撤退とパーティ再編成

 攻勢に転じたかに見えたパーティだったが、メッサー・ディルゴはすぐさま反撃して来た。

「うるさい!」


 メッサー・ディルゴはけん制と言うには強力過ぎる威力の火炎魔法を空いた手でボジャック達に向けて放った。

 アンカーで首を絞められているにも関わらずだ。


「ぐわ!」

 足元付近に狙って撃ったのも外れたのではなく牽制、

足止めで十分だと言う余裕からの様に見える。


 横約三メートル、縦一メートルに広がった火炎の威力はディルゴの強さを伝える事と道を塞ぐ事両方に十分だった。


「火炎が激しくて近寄れない」

 しかしクラビは更に力を込める。

「ぐ、ぐぐ」


 アンカーはさらにきつく首に絡まる。

 窒息しそうで血管が浮き上がるほど踏ん張るメッサ―・ディルゴは紐を掴みクラビを持ち上げてしまおうとした。


 凄まじい形相だ。

 息が苦しくかつ力も込めている。


「ぐぐ」

 クラビも踏ん張り力比べだった。


「ぐぐ」

「ぐおうっ!」


 メッサ―・ディルゴは恐るべき怪力と執念で掴んだ紐ごとクラビを持ち上げた。

「うわ!」


 しかしクラビは持ち上げられ宙に浮きながらも上手く空中回転し落ち着地した。

「紐を持ってる相手を持ち上げるなんて何て馬鹿力だ! よし!」


 ミッシェルは助太刀に入り、手先から蜘蛛の巣の形のネットをメッサ―・ディルゴに向け放出しからめとった。

「蜘蛛のスパイダーネット


 片方の手でクラビのアンカーを掴んでおり、更にミッシェルの不意打ちでもあったためたやすくメッサ―ディルゴは絡まった。

 ギンとミッシェルを睨む。


「このまま投げてやる!」

 ミッシェルは反撃させない為、絡まったメッサ―・ディルゴをネットごと投げた。


 首を絞められたままのメッサ―・ディルゴは大地に叩きつけられた。

「ぐおうっ!」


 しかしメッサ―・ディルゴは凄まじい執念の表情で起き上がる。

 避けられないミッシェルに光弾を当て吹き飛ばした。


「ミッシェルさん!」

 アンカーがメッサ―・ディルゴから外れていないのに駆け寄ろうとしたクラビに光弾が当たった。


 更に爆発中のクラビに追い打ちとばかりに強力な光弾を連続で当てるメッサ―・ディルゴ。

 クラビはたちまち爆炎に包まれた。

「クラビ!」

 皆叫んだ。


 また連続で光弾はクラビ目掛け撃たれ、牽制にミッシェルにも放たれた。

 光弾をかわしたミッシェルは素手で殴りかかった。


 パンチがメッサ―・ディルゴを捕らえた。

 かなりの手ごたえだった。


 しかしメッサ―・ディルゴは顔を変形させながらも倒れず、にやりと笑い即座に重いパンチを撃ち返した。

「ぐあ!」


 倒れるミッシェル。

 こいつ、魔法使いの様な格好だが近接攻撃にも非常に強い!


 更に非常に強力な火炎魔法をとどめの様にクラビに放った。

 大きな炎に包まれるクラビ。 

 外側から見れば大炎上だ。


 炎の中にクラビは見えなくなった。

 もがき苦しむのが想像出来た。


 めらめら燃える炎から出てこないクラビ

 まだ外から姿が確認出来ない。

 どうなってしまったのか。


 その時だった。

 僅かな隙を突きクラビが光を纏い突撃し切りかかった。

「ぐおう!」


 剣が胸に食い込むほど切り込まれた。

 クラビはアンカーを引っ込めた。


 更に3本を発射し全てがメッサ―・ディルゴの体にヒットした。

 またアンカーの一本を変形させた。


 たちまちの内アンカーは虎の様な獣の形に変形した。

 変形と言うより金具が生き物に変質した様だった。

「行けっ!」


 クラビの掛け声通り獣の顔になったアンカーは火を発射しメッサ―・ディルゴを捕らえた。

 火で燃え苦しむディルゴ。

「今日の所はこれで撤退だ」


 皆切りかかろうとした。

「逃がすか!」


 しかしメッサ―・ディルゴは力を振り絞り火炎魔法を放ち、大火災を起こした。


 更に兵の一人が突撃して来た。

「何だ!」


 兵士は皆を巻き込み自爆した。


 爆発が済むと、気が付くとメッサ―・ディルゴの姿は消え、後は兵士の死体ばかりだった。

 ミッシェルは言う。 

「神殿でパワーアップしてなきゃ今の爆発で皆死んでたよ」


 ジェイニーは言った。

「ただ、強いけど勝てない相手じゃない。皆で力を合わせれば何とか」


 しかしミッシェルは否定した。

「いや、神殿でパワーアップしたからこそいい勝負が出来たんだ。その前に出会ったらやられたかも。遭遇したタイミングはある意味良かった。ところでさっきの話なんだがパーティをここで分けよう」


 アイムも言った。

「私もそれが良いと思った。


 マークレイは辛そうな顔をしている。

 フリオンは言った。

「全滅を避ける為と役割とコンビネーションを生かすため。皆どう思う?」


「えーっ」

 ジェイニーは少し不安そうだった。


「私は賛成よ。私が抜ければ良いんだけど」

「あーよせって」

 クラビが慰めた。


 ボジャック、ゾゾ達は頷いた。

 それはマークレイの祈りを聞き心情が分かったからだった。


 マークレイはフリオンに言った。

「シヴァは俺と別にしてやってくれ」  


「俺も賛成」

 クラビも言った。


 アイムが言う。

「じゃあ、神の闘技場に行くまで一旦分けるわ。パーティ一はクラビ、私、ボジャック、ゾ、ゾ、ジェイニー、マリーディア、シヴァ。パーティ二はフリオン、マークレイ、ミッシェル、ベルスで」

 しばらく別に行く事になった。

       




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