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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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圧倒的パワー

 クラビは走り構えた。

「行くぞ! 怒りの鉄拳の手刀版・地獄切断!」


 クラビは一見拳で攻撃をすると見せかけ手刀を振り下ろした。

 自分の防御力に自信満々で全く防御をしてなかったジルバシュタインの鎧の胸部に直撃した。


 するとジルバシュタインの鎧は切れて傷が付き下の肉体も切られた。

 ジルバシュタインは戸惑い少し反応が遅れた。


 次の瞬間血がどばっと噴き出した。

 ボジャックは倒れながら思った。


 皆あいつに触れる事も出来なかったのに、やっぱりクラビはすごい。

 しかしジルバシュタインはにやりとした後笑い出した。

「はーっはっはっ! これで俺にダメージを与えたつもりか?」


 クラビもその反応に動揺した。

「効いておらんわ!」


 本当に効いていない様な言い方だ。

 ゾゾは言った。


「もしかしてあいつ血が偽物で機械人間かなんか?」

「馬鹿か⁉ 俺は魔界生まれだがれっきとした人間だ。ただ、少し傷ついただけで騒ぐ貴様らとは体も精神も違うのよ」


「何て奴だ」

 クラビは構えを変えた。

「ならばこれだ! 勇者の魂・火炎撃!」


 クラビはこれまでよりさらにアップした火炎を放った。

「ふん」


 火炎はまともに命中している。

 ジルバシュタインの体が焼けていく。

「ふん」


 しかし体が焼けているというのに、ジルバシュタインは表情を変えない。

 余裕の笑みを見せている。


 ジェイニーは言った。

「あいつ、見えないバリアでも張ってるの?」

「馬鹿か⁉ 貴様らの攻撃にそんなもの必要ないわ!」


 ジルバシュタインは火炎を手で掴み押し返そうとする。

「ぐうう!」


「手にバリア張ってるとでも思うか? 違うな。こんなのを熱がらない程俺は鍛えてあり体も強いのよ!」

 そう言ってジルバシュタインは手で仰ぎ火を消しクラビを吹っ飛ばそうとした。


 しかしクラビは吹き飛ばされないようアンカーを放ちジルバシュタインの腕に巻き付けた。

「ぬ?」

 アンカーの戻る力で勢いをつけてクラビは鉄拳を放とうとした。

「勇者の魂・怒りの鉄拳!」


 ジルバシュタインは顔がひしゃげた。

 しかしダウンはしない。

 

 踏みとどまっている。

「効かんなこんな物」


「くそ!」

 クラビは必死になり鉄拳を三発、四発と放った。

 それでも効いていない。


 遂にクラビは反撃のパンチを食い吹き飛ばされた。

 ジルバシュタインは迫ってきた。


「まだだ!」

 クラビは不意打ちの様に射出型光剣をジルバシュタインに放つと心臓を貫いた。

 しかし血が流れてもジルバシュタインはぴんぴんしている。


「バカな!」

「この位で死ぬと思ったか!」


 ジルバシュタインはクラビの前に来た。

「俺の得意技、踏みつけだ」


 ジルバシュタインはずんと言う音と共にクラビの腹を踏みつけた。

「ぐあ!」


 クラビはあまりの衝撃に血を吐いた。

「クラビー!」


 死の危険を感じマリーディアはまるで勝手に動いたかのようにクラビに駆け寄り覆いかぶさった。

 マリーディアは背中に踏みつけを受けた。


「ぐっ!」

 一撃で気絶しそうな威力だった。


「女、お前の相手は後だ、どけ」

 と言いマリ-ディアを弾き飛ばした。


「さてクラビにとどめだ」

 ジルバシュタインはクラビの足をつかみ頭上で回転させ、高く放り上げた。

「落ちてきた所にとどめのパンチだ。いやこの棍棒だ」


 アイムたちは叫んだ。

「あんなので!」


 ジェイニーとゾゾは最後の抵抗をした。

 アイムは飛び出した。

 フリオンも。


 気絶寸前で落ちてくるクラビに等身大化したアイムとフリオンがくっついた。

「クラビは死なせない! 私の全エネルギーを渡してでも!」

「私も!」


 クラビの体は白いエネルギーに包まれた。

 ジルバシュタインは棍棒を構える。

「何か知らんがこれで終わりだ!」


 しかし光でジルバシュタインの目が眩んだ。

 そしてエネルギーに包まれたクラビと二人の女神はジルバシュタインの頭部に激突した。

 ジルバシュタインのカブトが砕けた。


 クラビと二人の女神は力を使い果たし大地に倒れた。

 ジルバシュタインは苦しんだ。

「脳に衝撃を受けた! 撤退だ!」


     

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