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幻影道 第二巻    作者: SAKI
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「第二の家喫茶店スイカズラ」

私とゆいゆい、それに何故か付いてきたサナエちゃんは仕事場へと向かい徒歩二十分、少し街から離れるとそこに真っ白な建物があった。

【喫茶店honeysuckle】それが建造物の名前だ。


「ホニーサックス?」


「ハニーサックル、確かスイカズラね。ユイの思考だと花言葉はいずれにせよ【愛】や【家庭】に関した花よ」


サナエちゃんの言葉にユイは満足げに笑う。


「うんうん、お姉さん達の第二の家であり家族との幸せな一時が過ごせるようなそんなお店にしたくてね♪」


喫茶店にそんな愛を込めなくても……お店って名前さえ付いてれば何でもいいのではと言ったらゆいゆいをがっかりさせてしまうかと思い、あえて言わなかった。私達はそのまま中へと進むことにした。


☆★☆★ スイカズラ


「おお~中々の客席ね♪」


私が待っていたのは制服姿のプレアちゃんノアちゃんだった。そして大行列とまてばいかないけど私にとっては沢山の人が喫茶店に来ているように見えた。


「ユイ、早く仕事しな!思ってたより結構人来てるよ!」


「はぁ~い♪」


人が注文してる数が多いせいかお店の回転率が悪く見える――― でもそんな事は無かった。

ゆいゆいが仕事に戻るとぱぱっと要求を解決して次から次へと仕事を捌いていった。まるで職人芸でも見ているような光景で私は更にゆいゆいは尊い存在になってしまったと突き放された感覚になった。


「凄いわね、あんなに要求していた客をあっという間に片付けちゃった」


「それだけじゃないよ注文を受け付けながらテーブル飲み物がなくなった人をチラ見しただけで全部把握してるよ」


私達は気付かされた、ただの胸の大きい天真爛漫なお姉さんではないことを……


「もしかしてユイって、出来る女なの?」


普段からは想像つかない仕事捌きに感銘すら覚えてしまう。


数分の時を終えてゆいゆいは戻って来た。


「ごめんね~あんなに客がいるなんて思わなくてっさちょっと適当になっちゃった♪」


あの接客態度で適当に?それじゃあ普段はもっと凄いのだろうか?天使のスマイルに男性も女性もうっとりしてる。中毒性のありそうな笑顔だ。


「ユイ、ちょっと誤解してたわ……誰ふり構わずナンパしてそうで自慢の胸を揺らしながら誘惑して嫌いな奴には塩対応するのかと思ったわ」


「お姉さんの印象最悪じゃない!?ユカリちゃんはどう?」


好き!と言いそうになった。


「だ、大好き!あっ!」


結局言ってしまった。心の中で思ってただけなのについ言葉に出てしまった。


「ユカリちゃん、急に告白しないでよ〜婚姻届持って来ちゃうそ?」


「ち、違うよ!大好きだけどその!凄いなって!」


「アンタもしかして……ユイの仕事ぶりじゃなくてユイが好きだから何でもオーバーになってるんじゃない?」


 やっぱり二人の空間が形成されると即座にサナエちゃんに突っ込まれた。


「そ、そうかも?」


私の発言に照れ隠しに微笑むゆいゆい、その光景を見ている人達は物珍しそうに見ていた。


「お姉さんが好きなのはいいけど仕事の方を見て欲しかったな~」


「ご、ごめんなさい……可憐で素敵で……優しい言葉で何もかも包み込む包容力に見とれてたよ」


「ユカリちゃん、全部言ってるわよ」


はっ!!ダメだ!ゆいゆいを考えてしまうとゆいゆい以外何も考えれない!!頭を叩きながらゆいゆいを忘れようとしてもあの笑顔には蕩けてしまいそうになる。


「ゆいゆい、好きぃ♪」


頭の処理が爆発してしまった私は結局ゆいゆいを好きとしか言えなくなった。ゆいゆいが大好き過ぎて胸に飛び込んでしまった。


「あらあら~」


「あの二人もしかして……」


「店長さんの??」


その後程よく私達の惚気話を聞く羽目になったサナエちゃんは心底ウザそうに見つめていた。

周りからは学校で似たひそひそ話が聴こえたが取り敢えずゆいゆいが大好きです。

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