「ユカリラブ・ファッションスタイル♪」
翌日、私はユカリさんとのデートの為に服をコーディネート。いつものパーカーだけではデートっぽくないので今日は明るめ且つ清楚で行きましょう。ユカリさんには申し訳ないですがプレアさんの怒りが取りませんので酷いことをしてしまいました。後で謝るとして今はデートです!髪型を変えて女の子っぽく、今から会うのが楽しみです♪ユカリさん、もっと私の事好きになってくれるかな?
☆★☆★
遅い、今日に限って公園でノアちゃんを待つも中々来ない、家の中で待たないでと言われたから仕方なく公園で待ちあわせしてるのにもうすぐ三十分、完全に待ちぼうけだ。
そんな事を考えていると誰かが此方にやって来た。誰だろう、ノアちゃんっぽいけど……
「あ、あの……ユカリさん??」
あれ?ノアちゃんの声は聴こえるのに何処にも姿が見えない、目に入るのは美少女しかいないのに。
「私ですよ!むぅ~!」
すると突然目の前の美少女が飛び込んで来た、ユカリは愕然としていてノアだと判断するのが遅かった。
「へっ?ノアちゃんなの?」
「私の眼帯目に入りませんか!?」
「だって知らない人だと思って……」
「もぉ~お洒落したのにそれは無いですよ!」
ポカポカと殴るノアちゃんが可愛いのは捨て置きあの地味なノアちゃんがこんなキャピキャピした女の子になるなんて知らなかった。
「そう言えばノアちゃんはその眼帯外さないの?」
私の言葉にノアちゃんの言葉が止まり曇り空になる。
「ノアちゃん何をするにも眼帯してるし、お風呂から出た時も眼帯してるよね?外さないの?」
この時の私は無邪気だった。ただ知りたくてノアちゃんの領域にズカズカと侵入したことに気付かぬままに。
「えっと……その……」
「見せてくれないかな?もしかして何か出来物とか――― 」
私はノアちゃんの眼帯に手を掛けたその瞬間私は身体を押され突き飛ばされてしまった。
「あっ」
初めて見たノアちゃんの歪んだ表情、何かを思い出したような拒絶と恐怖に染まる顔に私はどこか似たような感情を抱いた。
「ご、ごめんなさい!!突き飛ばすつもりは無くて!!お怪我はありませんか!?」
たった数秒の出来事、されど数秒。私に見せたくない物でもあったのか本気で拒絶された。私はきっと踏み込んではいけないモノに侵入してしまったのだと気付いた。
「ご、ごめんなさい……」
私はすぐに謝った。これじゃあ私の嫌いな施設の人と同じだ。何も知らない癖に領域に踏み込んで……心を踏み弄られた人にしか分からない感情を確かに感じた。ノアちゃんは私を拒絶した。
「い、いえ……!あの……違うんです……」
「違わないよ、私はノアちゃんに嫌われるようなことしたんだから」
間違いじゃない。これは踏み込んではいけない話だ。私はそう感じて直ぐ様突き飛ばされた身体を起こした。
「あ、あの…………」
「ごめんね、えっと……話題を変えようか♪ノアちゃんはさ!」
話題を変えようと後ろを向くとノアちゃんは私の腕を掴んだ。
「ユカリさん、お願いです聞いてください……私の事を……私の目の事を……」
その言葉にユカリは驚いた。自分ならきっと変えてくれた方が楽なのにノアはそれに立ち向かったことに振り返った。
「あそこにベンチがあります……だから!!」
いつもはか弱い女の子、でも本当は心が強くて妹のユカリには知って欲しくて掴む手が強くなった。
「私は好きな人に知って欲しいんです!だから逃げないでください!」
ノアは瞳を潤わせ思いっきり言葉をぶつけて誇張する。私を知って欲しいと自分と同じ状況だと思っていたユカリはどうしていいのか分からず振りほどこうにもその手はぎっちり掴まれていて離さなかった。




