「怒らせてはいけない系少女」
その翌日、その日は土曜日。私達のお店は通常営業なので私は喫茶店へと向かった。何故正社員と同じ時間に出社してるかだって?私が看板娘で尚且つ人手不足だからだよ♪
☆★☆★ 喫茶店スイカズラ
「嘘……でしょ?」
確かにスイカズラは人気のあるお店だけで売上向上してるけど…………なんでこんなに人が居るの?しかも女性ばかり……見た感じだと十代が多いかな?
「あっ、ゆかりん~♪」
私は今にも嘆きたいくらいだけど行列が続く中物凄い分かりやすい大声が聴こえた。その列には何故かプレアちゃんと……あれ?
「ゆ、ユーゴ君!?」
見知った少年がプレアちゃんと!?えっ!えっ!?
も、も、も、も、もしかして!?い、いや!二人とも面識は無かったはず!!なのに何で!?
「なんだ本当に働いているんだな!」
「ふえ!?」
当たり前のように話し掛けてくる辺りユーゴ君だ。人違いじゃないよね?
私は事情を聞くとさっき近くの自販機で仲良くなったらしい。それで喫茶店行く?疑問しか湧かないけど改めてプレアちゃんに恐れてしまうよ。
「ってかプレアちゃん……仕事は?」
「ん?のあっちに押し付けたから大丈夫♪」
「の、ノアちゃんに!?」
「うん☆なんか滅茶苦茶怒ってるし殺意抱かれたけど大丈夫♪」
全然大丈夫じゃないよ!?ノアちゃんは無理矢理押し付けると本気で殺しに…………ひっ!?
何だろう……寒気を感じた振り返ると私の後ろには背中をつんつんする笑顔(殺意)のノアちゃんがいた。多分断ったら殺されると思っていた私はジャンク品になったロボットのようにガシガシと喫茶店の裏に連れ去られた。
「うふふ♪ユカリさん、良い娘ですね♪」
撫で撫でが全然嬉しくないのは初めて、何故ならその後ろの手には光に反射する包丁を持っていた。
「ユカリさん、あの金髪絶壁ペラペラまた板貧乳処女の生皮って見たくありません?」
「ひっ!!」
驚いた瞬間壁に追いやられて包丁を突き立てられる。何で私なの?
「驚かないでください、分かりましたか?」
殺される殺される殺される!!今この状況は完全にアウトだよ!法律云々前に私が死体になる!
「う、うん、ごめんね」
「分かればいいんです♪それで……見たい――― ですよね?」
物凄い圧がのし掛かる。多分ここで首を振れば確実に殺られる!
「で、でもさ!プレアちゃんだって悪気があって――― ひゃ!!」
包丁が私のスカートの股下を突き刺した。あははなんて可愛いんだろうな……
「ユカリさん?ユカリさんは私の味方ですよね?」
「も、勿論だよ!?だからその……包丁は……危ないよ?」
物怖じせずに冷静なんて言ってられない取り敢えず落ち着かけようとしたが無駄だった。
「うるさいですよ?そんな悪い女の子には……」
刃物を股下から今度は首元に突き立てられた。
「スカート捲し上げてそのままキープで」
普段のびくびくしたノアちゃんとは比べ物にならない程恐ろしい表情で今にも殺されそうな雰囲気だ。
「へっ?」
「パンツ見せないと……」
意図の分からない指示に困惑するが一つ一つ口出していた埒が開かない…
「ど、どうぞ!!」
逆らったら殺される!私は仕方なく羞恥心もぶん投げてスカートを捲し上げる。
「可愛いですね♪うふふ♪」
なのにノアちゃん、私の下着じゃなくてお腹見てるような……ノアちゃんは私のお腹に包丁を当てる。
「ひゃ!冷たい!!さ、刺さないで!!」
金属性なので熱されていない限り当然冷たく鋭利の刃物がチラつく。
「大丈夫ですよ刺しませんよ♪その代わり……」
するすると下に下がり下着の中にそれを入れるフリをして刃物をチラつかせる。
「女性の生殖器をズタズタにするのは得意なんですよ♪あ、解体も出来ますよ?ユカリさんの骨格標本なんてどうでしょう?」
ノアちゃんの明確な殺意だけは馬鹿の私でも分かった!!鉄がアウトな場所に当たってひんやりしてる!!
「ひぃ~!!それだけは勘弁して!!何なら許してくれるの!?」
私の切なる願いに途端にノアちゃんはもじもじしながら頬を赤らめる。包丁さえ無ければとても可愛いのにな……
「で、デートしてください……二人きりで」
刃物当ててる割にはとても可愛らしいお願いだった。
「・・・・・えっそれだけ?」
一瞬だけ手が緩んだのにそれに勘づかれてしまった。
「ユ・カ・リさん♪」
逃げると思われたのか殺意オーラを出しながら腹に突き立てられそうになってしまった。
「ご、ごめんなさい!!つい声が漏れちゃって!!明日は!?明日にでもデートしようか!?お店休みだし、ねっ!?」
必死にアピールすると効果覿面だったのか喜んで包丁を戻してくれた。危うく殺されるところだった。
「解りました……明日ですよ?もし破ったら……」
「私がノアちゃんの約束を破ることなんか無いよ!信じて!」
「むぅ……解りました……約束です」
そう言ってノアちゃんはお店に入って行った。
私は急に起こった出来事に腰が抜けてしまいその場で倒れ込み冷や汗だくだくだった。
「なんで私なの?」
これだけは疑問だった、それをするなら押し付けたから本人に向けて欲しいよ。私はとばっちりを食らいながら泣く泣く仕事へと向かった。




