「いつもの日常・・・じゃない!?」
朝だ、また学校に行かないと。
私は朝になるとまた一階から美味しそうな匂いがする。制服に着替えてすぐに降りるとゆいゆいの朝ごはんが待っていた。いつも通りの最高の手料理に感激し、話が盛り上がってしまい時間を忘れてしまう。登校前にはそしてまたネクタイを直されゆいゆいに挨拶を交わす。行って来ますと言える対象が居るだけで私は満足だった。
順風満帆な気持ちも帰る頃にはげっそりしていてへなへなになる。授業は相変わらず苦手でクラスメイトか友達のユーゴ君かカイト君と話すのが癒しになっている。昼はいつも通りの三人で。そんな日々が続く中今日はゆいゆいから沢山のメール+喫茶店のSOSが書いてあった。
放課後私は一人で早足でお店に帰るとそこには何故か行列が出来ていた。人を掻き分けて裏口から通るとそこには沢山のお客さんが座っていてゆいゆい達は大変疲労していた。
聞けば今月の新メニュー【フルーツサンドヨーグルトクリームソース】が雑誌で紹介され、大人気になってこの有り様である。この状況にゆいゆいは予想外過ぎて人が絶えないことになっている。
「ユカリちゃん助けて~!!」
「ゆかりんヘルプ!」
「助けてください!」
な、なんでこんなことに??皆に事情を聞くと店内に記者が居たらしくて是非紹介したいと頼まれ一度は断ったが何度も頭を下げられるとゆいゆいはめんどくさくなって許可してしまったことが経緯、そしてこの惨事となっている。私はゆいゆいに呆れるも仕方なくこうして私もいつもの何倍物仕事量の波に飲まれる羽目になった。
☆★☆★ 仕事終わり……
「ぐへ…………」
度重なる疲労に限界がやって来た、私はその場で倒れ込みテーブルに突っ伏した。
「あの量を一人で片付けるなんて……」
「ユカリさん頑張り屋さんですね!」
あれ?ここに居たのってゆいゆいにプレアちゃん、ノアちゃんがいた筈……それなのに二人はピンピンしている!?
「ユカリちゃんも中々のガッツがあるね!お姉さんびっくり♪」
誰のせいでこんな目に遭ってるのか問いただしたいが気力が足りない。
「お前達、終業時間だから掃除しておけよ?」
私は早く寝たいとテーブルに溶けるように寝込むとキッチンの方から知らない人が出て来た。
「ほえ―――っ!誰!?」
暫く間があったけど視界がはっきりするとその人は全身真っ黒で片眼が赤いが何故か生気を感じず光を得ていない。
「あれ、知らないの?こいつがユイの弟、ローグだよ?」
ローグ??えっ?もしかしてこの人が!?ゆいゆいと全然正反対の人種だから驚きを隠せないよ!?
「ったく、急に大声出すな。俺は【エインデ】、幻影守衛騎士団の団長だ、今はこの店の料理人だ」
エインデの言葉にユカリはきょとんとする。
「どうした?」
「えっ、貴方がお店の?そう言えば会ったことないよね?注文したらその分だけテーブルに置いてあるからてっきり料理ロボットかと思ったよ?」
「んな訳あるか、俺が表に出ないのは人に会いたくないからだ、それと用が無いから出ないだけだ」
成る程、どうりでゆいゆいから話を聞いても実際に現れたことが無かったのか。
「ええっと……改めて宜しくね!えっと……ローグ君だっけ!?」
「エインデだバカ」
「酷い!確かにバカだけど、ローグ君に言われると尺!」
「バカと正直に言っただけだ」
「またバカって言ったね!?うぅ……ゆいゆい~」
私は慰めて貰おうとゆいゆいに甘えることにした。ゆいゆいもローグ君に注意するが全く聞く耳を持っていなかった。




