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幻影道 第二巻    作者: SAKI
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エクストラ「結果と今後」

夜帰宅し夕飯を抜いてお風呂に入り、下着姿で私はココアとクッキーを持ってくる。夜、ストレスの溜まった日にはいつもこの日課だ。


「飯を食わないのに茶菓子は食うんだな」


 ぼそっと悪態をつく弟にそっぽ向きながらココアを一口啜る。


「お姉さんはメインのご飯を食べなくても生きれるからね♪」


「だがそう言うのよろしく無いのではないのか?姉さんは週一しか飯食わないから死ぬんじゃねぇかと思っちまうな」


「うっ、確かに週一はキツイ時もあるね、でもめんどくさくてね~」


 人間は本来食を欲する生き物だ、でも私は何故か食欲が普段から沸いてこない、その為ちゃんとした食事を摂ることはとても少なく最近はチョコ一粒しか口にしてない気がする。


「この事をサクラにでもチクったら改心するのか?」


「うぐ!それだけは勘弁して……ユカリちゃん、お姉さん対してはしつこくて怒りやすいから……単純に好きだから心配してくれるのはいいけど……」


「今回も叱られたのか?」


私の顔にそう書いてあると言いたげな弟に溜め息を吐く。


「そうね、これじゃあ何かにつけて文句言われそうね、正直やりづらいな」


「なら黙らせればいいだろ?」


出来るならそんなことしてるよ全く、私がどんだけユカリちゃんが大事なのか知らないのかな?


「アンタはサクラに甘い、だがサクラは自分に厳しく姉さんには厳しい。それはきっと過去の過ちを繰り返さない為なのか……」


窓は空いており肌寒い、ローグちゃんは遠くの星を見つめるように見上げていたが気を利かせて閉めてくれた。


「ユカリちゃんもまた過去に囚われてるのかもね」


 ココアを一口啜ろうとしたら弟は腕を組みながら言葉を返してきた。


「それは全員そうだろう、カイトは知らんがサナエだってあいつは復讐を原動力で生きている。俺達全員過去を復讐し終えるまで過去を払拭出来ないだろうな」


「お姉さん達のバイタリティーは悲しいね、活き活きとして生きてるんじゃなくて復讐の怒りや憎悪、怨嗟に怨念と怨恨を全てを力にして生活するなんて常人には考えられない心よ」


「だが人間誰しもそうじゃない。一度ドン底から叩き落とされた者は復讐を秘めて這い上がる。それが善になるか悪になるかはそいつ次第だがな」


「お姉さん達は少なくとも善じゃないね♪」


エインデの言葉にユイは微笑む。その表情はなぜだが哀しかった。


「まぁな、悪にしかなし得ない事だってあるんだ。画竜点睛、最後の最後まで俺達は殺し、殺され行くべき道を探し終えることが終着点だな」


「それまで何人残ってるのかな?」


「さぁな、それは神のみぞ知る世界だな」


また他愛もない会話、少しは姉弟っぽいことを話したいけど私達には何も思い付かなかった。復讐することしか考えられないんだ。


「あっ、ココア冷めてる!折角温かいうちに飲みたかったのに~!」


 あんなに温かったココアが少し放置しただけでもうこんなに冷たくなってる!?すっかり湯冷めした身体には毒でしかない!


「アンタがそんな格好だからだろ……」


「お姉さんはこの格好じゃないと駄目なの!」


「分かってる、ちょっと待ってろ」


私の我が儘に応じてくれたローグちゃんには申し訳なく誤った、ちょっと姉弟っぽいかな?


「ほらよ」


数分オーブンレンジで温めた物を渡すとユイは血相を変えてテーブルに置く。


「あ、あついよ~!!もぉ~!!」


「よく耐えたな……」


「お姉さんじゃなかったら溢してたよ!?」


私はマグカップに入ったココアを冷めるまでローグちゃんと今後について会議する。そこには何も面白味もない戦場のことや武器、作戦や処刑の仕方とまるで戦に出るような話が続きその日はそれで終わってしまった。

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