「顕現せし女帝」
十二時になると授業が終わり皆そそくさに何処かへ去って行く、一体何事かと席を立つと天噛魁斗君が説明してくれた。
どうやら下の廊下で食べ物の販売をしているらしく学食があるのに人気はそちらの方が人気だとか……
「あれ?ユーゴ君は?」
「あいつも下に降りていったから僕達は先に屋上に行こうか」
抹綺優牙君、どこかで聞いたことがあるような気がするけど思い出せない。でも何故だが私はユーゴ君と呼びたかった、ユーゴ君は愛称に特に何事もなく承諾してくれて感謝している。私はお誘いの言葉を断り屋上へと向かった。
「わぁ~!」
外に出ると心地の良い風、息を吸うと心が洗われるような気分になる。こんな所で食事なんて出来るんだ!
「あら?その女は?」
目まぐるしい人達から開放され羽目を外しているとすると目の前にはワインレッド色の髪をしたお嬢様みたいな女性が策に寄り掛かりながら振り返った。
「この子は今日転入してきたサクラユカリちゃん、普通の女の子だよ」
カイト君がそう説明するとその女性が私の目の前には立つ。
じろじろと身体中を見られ変な気分になる。一週した所で指を顎に当てる。
「アンタが施設に居た佐創柚駆……ふぅ~ん」
「な、何ですか?」
尖った目つきにまるで怒ってるような表情だがまるで馬鹿にされたように鼻で嗤われた。
「いえ、もっとヤバい奴だって聞いてたのに普通のJKなのね」
「っ!?」
どうして私のことを?それに私が施設でどんな人だなんて噂さえされてないのに?
「や、止めてよ……私は……」
「罪としては障害罪、人を何十人を暴行し中には四肢を欠損した奴がいる。そんな見るからにヤバい女がどうして公共の場にいるのが不思議ね」
「なんで知ってるの?」
「何でアンタに言う価値があるの?頭のイカれてる精神病患者を価値の無い学問に励ましても無駄だと思わない?それに…ちゃっかり可愛いお洒落だなんて保護した奴もきっと――― 」
・・・お前も……私の敵なの??敵は潰さないと……ユカリには手を出させない。
悪意ある挑発に乗っかったユカリはその瞬間ユカリの凄まじく放たれた蹴りが炸裂する……がそのワインレッドの女性に掴まれた。
「ふふ、本性を現したわね♪可愛い下着ちゃん」
振りほどこうにも力が加わって動けない!スカートは大きく開いて見えてしまっている。
「離して!」
男の子には見せたくない!慌ててスカートを押さえるも脚を取られて倒れてしまった。
「私の名前は蛇奈緑、アンタと同じ戦士よ」
私は警戒心を強め蹴り飛ばそうとしたが予想外の言葉が出てきた。
「貴女も……異世界から」
ニヤけた顔でサラッと言葉を吐き捨てる。
「そ、だから貴女の可愛い太腿なんて切り裂いてあげるわ」
胸ポケットからポケットナイフを取り出し太腿に突き刺さろうとしたその時。
「はいはい、子どもがそんな危ない物持ってはいけませんよ?」
何処からか現れた聞きお覚えのある声に振り向くと大好きなお姉ちゃんに私は一瞬気が緩んでしまった。