「特性能力開放!!」
あれがゆいゆいの特性能力、綺麗。
能力を発動させたゆいゆいの瞳は愛らしいハートマークを片目に宿しフィールドが桃源郷のような淡い幻想世界へと姿変える。私達の傷が消えてなくなり痛みもなくなる。私はただただゆいゆいの世界に魅了された。
「ユイ、その能力は私にも適用される!地球の言葉だと敵に塩を送った訳ね!」
後少しだと言うのにゆいゆいは完治させてしまった。これでは振り出しに戻っただけのようだなゆいゆいは勝ち誇った表情で嗤う。
「何勝ったような面してるの?もうじき死ぬのに……アンタの苦しみを増大させるからこの能力を使ったのよ?」
ゆいゆいは自身満々にそう言って拳を引き、何かを溜めている。
「ユカリちゃん!嫌な予感がするからユイから離れなさい!」
「えっ!?でも!!」
「ユイが好きなのは知ってるから早く此方に来なさい!」
取り敢えず無理矢理引き剥がされゆいゆいだけは見つめ続けた。
「お姉ちゃん~パ~ンチ!!」
一見何の変哲のない可愛らしいパンチだと思っていたが拳を掲げたその時、有り得ない出来事が起きた。
数十メートル離れていた場所からゆいゆいは一秒も掛からず女の人の目の前に瞬間移動して顔面を殴り付けるとまるで核が落ちたのか轟音と共に鳴り響く。地面は抉れ暴風が吹き荒れる。
私達は結構離れてはいたがその衝撃に吹き飛ばされた。
「あわわわ!飛ばされるぅ!!」
「しっかり捕まってなさい!」
剣を投げてしまったせいで突き刺して踏ん張ることすら出来ない私は腕と腰のワイヤーを使いストッパーに使う。サナエちゃんのお陰?で吹き飛ばされずには済んだけど……
「髪ボサボサね……」
「うぅ…………サナエちゃんが重くて――― じゃなくて!ワイヤーのお陰だね☆」
体重の話をした途端悪寒がしたから話題を急速に変えました。そのお陰で怒られずに済んだ。
「ユイは?」
サナエちゃんの声に私はゆいゆいを探すとそこには刃物を持ったゆいゆいが女の人を・・・・
「どうしたの?死んだと思った?あはは♪簡単に死ねると思ったら大間違いよ?回復魔法で瀕死の貴女を回復させたの、だから本当の地獄はここからよ……貴女は苦痛を味わいながら糧になってもらう。人の身体は高く付くからね」
ご満悦なゆいゆいは獲物を仕留めた動物のように歓喜している、だからナイフは女の人の腕に・・・・突き刺した。




