「水星の研究者オルカ」
物凄い勢いでユイが戻ってきた。此方はユカリちゃんの頭を冷やして安静にしている。少しばかりか熱っぽい。
「サナエちゃん、今すぐ此処から離れるよ!」
「はぁ!?まだ探索してないじゃない!」
「いいから離れるよ!!さもなければ死ぬよ!」
ユイの話が見えて来ない、爆弾でも仕掛けられてるのか焦っているユイに乗じて私はユカリちゃんを抱き抱え扉の前に立つ。ユイが無理矢理中に入ったせいで自動ドアが復旧すると物凄い音を鳴らしながら閉まったのが原因か開かない。
「デカチチ!壊れて出られないわよ!」
「嘘っ!?やり過ぎたかな!?」
やっぱりお仕置きした方がいいかしら?そう考えた矢先ユイが拳一つで自動ドアの枠ごと破壊した。
「化物かしら?」
「サナエちゃん聴こえてる~!お姉さんを化物扱いしないの!」
こんな見た目のインパクトがデカいのに中まで凄い奴だと確信した。そんな細っこい筋肉に何処にそんなパワーが?
私達は外へ出たその瞬間後ろから大爆発が起きた。爆発に吹き飛ばされそうになったがユイが私を庇った。飛び散る炎を押し退け安全地帯まで移動する。
「はぁ!はぁ……!ユイ大丈夫!?」
私は自分よりも庇ったユイのことが気になり振り向くとそこには背中に酷い火傷を追って肌が露出しているユイの姿があった。
「あいてて……火は危ないな~ユカリちゃんは無事?」
痛いとも一言も話さずユイはユカリちゃんの心配をする。私はユイの手を掴み背中を撫でる。綺麗な肌に傷痕は悪、今すぐ治療しないと……
「あいたぁ~!!?お姉さんは回復魔法があるから触らないで欲しかったのに~!」
「んじゃあ最初からそうしなさいよ!」
ユイの言葉に腹が立った私は背中をベチンと叩いてしまいユイを悶絶させてしまった。
「ご、ごめんなさい!つい……」
「もぉ~お姉さんじゃなかったら嫌われるよ?じゃなくてもサナエちゃんは嫌われ者なのに」
「余計な口叩く暇があったら早く治しなさいこの馬鹿!」
流石に二度もやると人情に欠けるから叩くのはやめた。私達が茶番をしていると後ろから女の声が聴こえた。振り返るとそこには……はっ?
「全くも~折角これで死んでくれると思ったのに~水星研究員整体担当の私【オルカ・ネプチューン】がユイを殺したって自慢出来るのに♪」
敵が来たと思ったがその格好の際どさに思考が停止した。
彼女は……ええっと……それは服??なのよね?
どうみてもビキニと言うか際どい水着のような……白衣を羽織ってる淫乱にしか見えないのだけれど……
「アンタね、ユカリちゃんを感染させたのは」
「ユカリ?誰?もしかしてその不細工?」
ユイはこの女性に対して何の疑問は抱かないのかその言葉にかっとなって剣を作り出すが女性は余裕そうにユカリちゃんを指差しする。
「あら~いいの?その不細工を看病しなくて?呪血が全身を通ってもしかしたら死ぬかもしれないのにのうのうと私の相手をするの?そんなに私が好きなのかな?」
あくどい挑発だと分かってるが腹の立つ女、ボディライン全部際どい変態め、布面積が少ない癖に胸デカイし尻ももっちりしてるスタイルの良さに何処と無くユイに似ている。まぁユイはそれよりも上だけどね。
「キモっ……大人に好かれるのは願い下げよ、今日は見逃してあげる……だから消え失せなさい」
「ふぅ~ん私が今貴女達を殺せないと思って?」
「貴女じゃ勝てないよ?もう少し上の奴等じゃないとね」
「んじゃあ試して見る?」
女性はにやりと笑みを浮かべながら攻撃体勢へと移り私の目の前に一瞬で現れた。
攻撃をしようとしたその時、閃光のように女性の腹を殴り地面に叩きつけた。




