「使い物にならなくなって無能お姉ちゃん達」
ということでゆいゆいを連れて研究施設に辿り着いた、道中道に迷ったけどゆいゆいが案内してくれて助かった。
「ここの研究施設って既に廃れてるのよね?なら調査する必要はないと思うけど」
「甘いよサナエちゃん!そんなんだからお腹の肉が増え―――― いだだだだだっ!ごふぇんなひゃい!」
「そのお喋りはその口かしら~?」
ゆいゆいは余計な一言でサナエちゃんにお仕置きをされて口元がゆるゆるになった。
「馬鹿言ってないで行くわよ」
「まっまひぇ~おねぃひゃんの話を~」
「つべこべ言うならその胸の脂肪しごいてやるわよ?」
「ひぃ!勘弁してぇ……」
相変わらずゆいゆいは本当にお姉ちゃんなのか分からないな。まるで友達みたいだ。
☆★☆★ 廃研究施設
「暗い暗い~!無理無理ムリィ!!」
「お化けとか嫌~!!」
はぁ…っと大きな溜め息、中に入るや否やで二人とも急にポンコツになってしまい地蔵と化している。サナエちゃんは暗いのが苦手で動けなくてゆいゆいは何故か実在しない虚空の相手に怯えて抱き付かれている。二人にしがみつかれている為サナエちゃんは後ろから、ゆいゆいは私の下半身とこのまま技を決められるのかと思うぐらい固められている。
「あの…せめて下半身にしがみつくのは止めよ、スカートが……ちょっと!?待って引っ張り過ぎだよ~!み、見えるから!!」
ゆいゆいは無理に引っ張るから下半身が少しじつ見えてしまっている。振りほどこうにもがっちりだ。
「あわわわ!スカート!スカート!ひゃ!!ゆいゆいそこはダメ!!もぉ~誰か助けて~!」
この使えないお姉ちゃん達をどうにかして!!
☆★☆★
「はぁ~」
必死こいてゆいゆい達を説得してたら服が物凄い乱れてしまった。スカートなんてほぼ下着見えてるしその下着自体も引っ張られて恥ずかしい状態に……こんなの見られたら変態扱いされてお嫁さんに行けなくなりそう……はぁ。
仕方なく私は手動電源やら何かで点くだろうと探索を開始する。途中地図を見つけたが全く参考にならなかったから一応持っている。異世界共通語だからなんて書いてあるか全く分からない。
「ここは~薬品庫?何かあるかな?」
知識の無い私だから取り敢えずヤバそうな薬を手に取る、殆ど持ち去られてる為数本しか残ってないようだ。
「ええっとここは~?実験室?」
更に奥へ進むとやけに広い部屋に来た。真っ暗で見えやしないが電源っぽい場所は無いな。
「う~ん……ここにもないか……」
くまなく探すも暗闇のせいでほぼ見えない。次の部屋に行くとその瞬間ユカリの鼻を襲った。
「っ~!?」
鼻を直撃刺激するような臭みと鼻を刺すような強烈な臭いに拒絶反応を起こす。だがよく見ると横にはネオンカラーでボタンが目の前にある。ユカリは勇気を振り絞り息を止めそのボタンを押す。
辺り一面光に包まれユカリの目を襲う。眩しさに耐え抜くと少しずつ光に慣れてちょっとずつ開く、そこには……
「ひゃあぁ!!」
人の死体!?この臭いは腐乱臭だった。性別こそ分からないが恐らく男性だろう、だがとても妙だ。人にしては肩に突起物があり首元には風穴が空いている。背中からは何かが入っていたのかはたまた突き破られたような穴が開いている。そこから吹き出る臭いに意識を失いかける。
「うっ……うぷ……」
吐いちゃう……我慢でき―――――
間違って息を吸ってしまい、臭いが鼻に充満され食べていた物が一気に逆流して……そのまま。
☆★☆★ ユカリ自身による自主規制しました
私は色んな意味ですっきりした胃の中と酸っぱくなった口の中を洗いたいと水道所を見つけて口を洗う。
「うっ…ゆいゆいに見られなくて良かった」
だがその瞬間私は気付いた廃施設な筈なのに水が出ることに、それに…背後に蠢く迫る影に気付かぬまま私は口を洗った。
「な、何!?うわぁ!!」
突然現れた虫?に押し倒された!?俯せの状態で退かそうにも小さな虫じゃないことに気付く。振り返るとそこには巨大化した蚊が巨大なストローみたいなものでジタバタしても身動き一つ出来ないまま私のうなじに突き刺して血を吸われると最初は思った、でも違かった…私の血とは思えない黒い液体が私の体内に注入されていたんだ。




