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幻影道 第二巻    作者: SAKI
12/28

「ユイ、唯一無二の存在」

・【特性能力】それは魔力(マギア)を持つ人が己の能力を最大限にまで発揮させる能力、その力は強大であり故に代償も大きい、その力を使う者はその個人で習得した魔法の道を極めた者であり厄介な相手だ。その能力を起動時には身体の部位がオリジナルな紋章が刻まれ戦場を打破する力を持っている。尚私には一切関係の無いことでアリアンロッドさんの知る限り私以外の幻影守衛騎士団(ファントム・ガーディアンズ)は皆修得済みらしい。本来なら特性能力は個人で一つなのだがイレギュラーはその力を沢山使える者もいるらしい。


「確かユイも沢山使える筈よ」


へっ!?あまりの衝撃にびっくりする。


「嘘っ!?ゆいゆいって凄い人なの!?」


「当たり前よ、奴はこの星では【最凶の戦士】として扱われてるのよ。だからアイツは皇帝なんかじゃ止められないしユイには魔法を無力化させる能力もあるって聞いたわ、他にも破壊と創造する力もあるのにアイツの役職って【回復魔法士】よ?絶対おかしいわ」


「でも回復魔法士って超上級者だよね?」


「それでも一人で全部片付けるのはおかしいわわよ、回復魔法士はその分攻撃には特化出来ないのよ、魔力は全て回復なんだから」


改めてゆいゆいが皆から畏怖されてる理由が良く分かった。そんな話をしていると今回の目的地水星へとやって来た。一月前に来たけどやっぱりここの世界は絶景だ。


「んっ?ユカリちゃんあれって……」


来たばかりなのにすぐ現実に戻されるなんて……サナエちゃんの方向を目を向けると何やら都先に何かが起きてるのが見えた。ここからだと見辛い。


私達はその場所へと移動するとそこには見慣れた女性が化物を凪ぎはらっていた。地面のそこら中にはグロテスクな光景が広がっていた。


X(ゼノ)フレイム」


彼女がそう言うと炎の竜が化物に食らい尽くすとその場で大爆発する。物凄い威力に初めて魔法というものを見た気がする。


「ユイ!?アンタそんな所で何やって―――― 」


「っ、伏せて!Xダーク!」


彼女は私の知っているゆいゆいだった。だけどその姿はいつも知っているゆいゆいじゃない、格好は黒一色で瞳はキリッとしていて光の剣を片手に魔法を放つ。ゆいゆいから放たれた魔法は深淵のような暗い海、背後にいた敵を飲み込み消滅させた。


「す、凄いわね……全部一人で?」


これにはサナエちゃんも驚いている。よく見ると大型の化物も沢山死んでいる。女性一人の力とは到底思えない。


「お姉さんが子ども以外に頼るとでも?」


本当に一人で倒したみたい。


事情を話すとゆいゆいは暇潰しの為に超高難易度のミッションに出たのに簡単過ぎて暇になってしまったらしい。だから色んなミッションを受けまくって今に至るらしい。私もアリアンロッドさんからの話をゆいゆいに報告した。


「はあっ!?研究施設に!?」


だがゆいゆいの言葉は荒れていた。まさか初めてのミッションがまた高難易度だと知らずに受けていたなんて。


「それって危ないの?」


「危ないどころじゃないよ!死ぬなんてざらよ!?あのバカ女神初めてなのにそんな所を行かせるなんて!!」


ゆいゆいの暴言や罵倒は捨て置き取り敢えずゆいゆいを落ち着かせた。


「あの女が言うには調査してこいって訳ね」


「そ、アリアンロッドさんはそう言ってたわ」


その言葉にゆいゆいは頭を悩ませ、頭が痛そうだ。


「はぁ……だから出来損ないの未熟で度胸と胸だけデカイ馬鹿は苦手なのよ。本当に馬鹿……無能でアホ……女神失格よ」


「そ、そんなに言わなくても……美人だったよ?」


「見た目に騙されないで!ユカリちゃんは意外と綺麗な女性とか優しい人にホイホイ懐くんだから!」


うぐっ!確かにそうかも……いつの間にか私の人間不信は錆び付いてしまったみたい……全部ゆいゆいのせいだ。


「確かにユカリちゃんは優しさとか潔白そうな人を好きになるのは仕方ないかもしれないよ?でもねそれをカモにユカリちゃんはボロ雑巾のようにコキ扱われることになるかもしれないよ?だから気を付けなさい、それとお姉さんが居るのに浮気はしないで!」


最後はただの嫉妬と私情だった。つまりは危険だから行くなってことか。


「もし行くならお姉さんも行く」


「はぁ?本気で言ってるの?」


「サナエちゃん、貴女だって戦士なんだから命の危険を感じた方がいいよ?それでもしユカリちゃんを死なせたら……」


ユイの瞳に生唾をごっくんとサナエちゃんは怯える、背後から感じるのは殺気と憎悪のオーラ。まさに鬼神。


「サナエちゃん、【サナエちゃんの中身】ってどうなってるのかな?うふふ♪人間の一番美味しい部分ってお尻なのよね~♪」


「へっ?」


「そうだ♪連帯責任として皆のお肉を……ね♪」


ゆいゆいの冗談?は全然笑えない冗談だった。寧ろ本気なのでは?それくらいゆいゆいは薄気味悪い笑顔で自分の身体を撫でる。


「ガブリと味わうと肉汁が溢れて……いや?血液かな?生でも……」


「ゆ、ユイ!一緒に行きましょう!!アンタがいるの心強いわ♪」


冷や汗が滝のように流れている、ゆいゆいは安堵したように微笑むがその笑顔に愛は多分無い。ゆいゆいの扱いを改めた方が良さそうだ。


「ユカリちゃんも、浮気したら…………大人だったら一瞬で行方不明になるから気を付けてね?」


「ひいぃぃ!!」


最後に後ろ指を指すようにバックにゴゴゴゴと付くぐらい靄とゆいゆいの笑顔は狂気染みていた。

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