「ヤバい学校の烈々洗礼」
「ユカリちゃん!助けて~!!」
「ユカリさん!!助けてください!!」
「ゆかりん~!!!!」
なんて事でしょう……喫茶店の中から聞こえるのは阿鼻叫喚のお姉ちゃん達がわたわたと慌てて私を呼ぶ悪魔の声が聴こえる。気のせいだと思いたいのだが私の耳からは痛くなる程泣き叫んでいる。なんでこんなことに……
数時間前――――
転校初日私は大衆の前でびくびくになってカチコチな片言になっていて笑われてしまった。恥ずかしくて死にそうなのにクラスに入ると皆から私に興味津々なのか囲まれて質問責めされて気が参っている。中には変な質問もあったので一部語ろう。
「ユカリちゃんの保護者お姉さんバストいくつ?」
まず一つ、ゆいゆいのサイズを聞いてきた。最初から私に興味ないじゃん。
「えっと……大きいよ?」
「どれくらい?何カップ!?スリーサイズは!?」
もう私そっちのけで話してる……だと?
「よく分からないな……でも変えられる歩くだけで揺れるから……Iカップとかじゃない?」
何故かゆいゆいのサイズを聞いて盛り上がっているこのショートカットで茶髪の眼鏡っ娘の三井葉菜ちゃん。
「ねぇねぇお尻触っていい?柔らかそうで美味しそう!」
二人目セクハラおじさんみたいな菫色の三つ編みお姉さんの倉田梓莎ちゃん。
「えっ、えっと……」
困惑する私に梓莎ちゃんは財布からお金を差し出す。これ……質問してないよね?
「一触りで五千出すから二回で一万じゃ駄目?」
お金の問題じゃないのですが……公共の場で堂々とセクハラ宣言してるような、皆は何も感じないのかな?
「触れるなら私も!」
「私はもっと出すよ!!」
あっ、駄目だ……この人達セクハラしたがってる。学校ってこんな感じなのかな?
「お、お金は受け取れないよ……」
「お願いサクラちゃん!」
梓莎ちゃんは一生のお願いだと拝むように頭を下げてしまい私はついに負けてしまいお金を受け取ってしまった。
「はぁ~♪スベスベ~♪女の子のお尻ってなんでこんなに気持ちいいかしら?」
滑らかに撫でられると思ったら急に強く触られてびっくりすると周りのクラシメイトは羨ましそうに見つめられる。
「サクラちゃん!スカート!中は駄目?」
「ぱ、パンツは駄目!」
「穿いたままは!?ここの学校女子高だから恥ずかしくないよ!」
「えっ?でも……後ろに男の子いるよ?」
「二人だけよ!ね?ね?お金出すから!」
後ろの男の子に見られないように私は負けて触られてしまった。厭らしい手つきに羞恥心を感じながらも女の子の尊厳が壊れてきたけど……トチ狂った質問はヒートアップした。
「ユカリちゃん、甘いものは好き?私パティシエの娘だから試食して!」
「ユカリ!激辛料理は好きかい?丁度よく激辛お菓子があるからあーん♪」
「ユカリさんは―――― 」
その後食べ物を突っ込まれたり服の話や関節の曲げ方とかもはや罰ゲームをやらされてるんじゃないかと思うぐらい私は皆のモルモットにされていて終わる頃には身も心もボロボロになっていた。
「大丈夫かい?」
地獄の詰問が終わると二人の男の子が私の背中を優しく支えてくれた。
一人は青髪にこめかみに黄色のメッシュを入れた制服を着崩したいかにも明るそうだ。もう一人は紫色の髪をした中髪の男の子だ。
「太腿大丈夫か?ガニ股だぜ?」
「あう……ごめんはしたないね……あいてて……」
女の子なのにこんなはしたない格好男の子には見せられないね……
捻ってしまった太腿を当てると男の子が私の太腿を揉んでくれた。
「せ、セクハラ?」
「はは!大丈夫だぜ、俺は巨乳主義だからお前の太腿に何も考えてねぇよ!」
「巨乳?魚肉なら知ってるけど」
「巨乳ってのは……」
太腿から怪しい手つきで私の胸を掴もうとしたその時もう一人の男の子に腹をパンチされ撃滅される。
「ごめんね!こいつエロい事しか考えられなくてさ!もう授業も始まっちゃうしお昼にでも話そうよ!」
温和そうな話し方の男の子はもう一人の男の子を担いで次の授業部屋へと走り去ってしまった。
この学校、もしかして物凄い個性的な人達に囲まれてしまったのでは?と考えつつも私も教室を後にする。