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第二十三話 再び起きた酔い

今回少ないです! すみません!!

それから気絶していた他の者たちも起き上がり、安全を確保した後、船を動かした。


私はというと、また船酔いの状態になってしまった。

嗅ぎなれたはずの血の匂いと、波による揺れで先程よりもひどくなっている。

一時的に止まるのならば、ずっとない状態になってほしいのだが。そうはいかないか。



商人が食事に誘ってきたが、丁重に断った。

まず、無理。

どんな料理が出るのかは分からんが、今そんな状態じゃない。

こんな状態で食べて、もし目の前で吐いたら失礼だ。幸いなことに私の顔色を見てなのか、一回で諦めてくれた。それほど悪かったのか。


「大丈夫ですか?」

「……とりあえず、それを食べ終わってから近づいてくれ。それでもきつい」


ウサギの肉を持ったまま近づいてきたが、離れていてほしい。

その匂いで今にも吐きそうだ。


「横になった方がいいですよ」

「そうさせてもらおう。これを見張っておいてくれ」


激しく動くと、更に気持ち悪くなるからゆっくりだ。それにしても、まさか船酔いになるとは。待てよ。もしかしたら船酔いだけでなく飛行機酔いも発生するのではないか? いや、待て。今心配しても意味がない。その時になったら考えよう。

今しなくていい心配をしていても船は勝手に進む。


何事もなく目的地についたが、とんでもなく長く感じた。酔いとは酷いものだな。


「どうします? 港町につきましたけど……」

「ここで休んでおく。このまま街に入ると大騒ぎになるからな」


人間だと、暑い日で1~2日。

寒い日だと数日で腐敗していくのだが、セイレーンはどうなのか。

これは、人として見るべきか? それとも鳥として見るべきか。


モンスターだからそのどちらでもないのか。

少し調べてみる必要がありそうだ。ギルドに戻ったら解体屋にでも聞いてみよう。



夕方となり、私とアレシア以外は宿に泊まった。

商人にお金を出すからと誘われたのだが、この死体を置いていくわけにもいかないと丁重に断った。それに、何故かセイレーンを倒してから周りの態度が一変した。

討伐するまでは私たちを下に見るような目をしていたが、終わってから急にへりくだった話し方になった。


護衛も船員たちも。


「いったいなんなんだろうな」

「何がです?」


宿代は貰わなかったが、食事するためのお金は貰っていた。

かなり強引にだったが。


拒否し続けるのも失礼だと思い、それだけ受け取った。

中には1,450エル入っている。

貰い過ぎだとその時は思ったが、臨時だと言われると何も言い返せない。


「君が気付いたかどうかはわからんが、護衛や商人たちの態度が変わったのが不思議でな」

「え? 変わってました?」

「気付いてなかったか」


 豆入りのスープを食べながら、呆けた顔をしている。

鈍感なのは戦いにおいて危険なことだが、時にそれが役に立つことがある。それが今か。

逆に勘が鋭いのも危険だと思う。


いい塩梅が上手く出来ないのは人として仕方ないところではあるな。

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