謎の世界と謎の冒険者達
「……ん……?」
目が覚めたら、知らない森の中にいた。
ここが別の世界なのだろうか……。
ホマレはゆっくりと立ち上がり、辺りを見渡した。
するとー……
「なに…あれ………?!」
不思議な建物があった。
家なのだろうか…?ホマレの時代では見たことのない、立派なレンガの家が並んでいた。
目をこする。そしてまた前を向く。だが景色は変わらない。
ほっぺをつねる。
「いだいっ…!!」
夢じゃない。本当に別の世界へ来てしまったのだろう。
前をもう一度向く。すると前から何か来ていることに気がついた。
ホマレは木の上に素早く隠れる。
……人だ……四人いる……。
男の人が二人で、女の人も二人。
近くなって、しっかりと見えるようになってきた。
持っているのは、武器だった。
冒険者なのだろうか……弓を持っている人もいれば剣を持っている人が二人、その一人は盾を持っている。
杖を持っている人もいる。
一体、どういう世界へ来てしまったのだろう……。
すると突然、後ろに不思議な気配がした。急いで振り返ると…そこには見たことのない豚のような獣が六匹もいた。
豚……?いや、角がある。それに金棒を持っている。鬼なのか豚なのか……。
「な…なにこれ……」
気弱な性格のせいか、とてもふるえてしまう。
二振の刀を抜き、首を狙って斬る。
すると斬った獣は消え、綺麗な石と獣の皮がでてきた。
不思議に思ったが、考えている時間もなく、次の獣が襲いかかってくる。
「……っ!」
ホマレは腕を怪我してしまった。その怪我は深く、とても痛かった。
痛みを我慢し、もう一度刀で獣を斬る。
一撃では斬れず、倒せなかった。
「…うぅ……!!」
斬られてもないのに全身に痛みを感じ、しゃがんでしまった。
獣は容赦なく、ホマレに向かって金棒で攻撃ー……と、その時、目の前に一人の青年が現れた。
盾を使い、攻撃をはじいた。そして、別の女性が剣で獣に攻撃をした。……先ほど見ていた冒険者達だ。
弓を持っている少年は、弓を放ち見事に命中した。まとめて三体倒した。
杖を持っている少女は、残りの一体に向かって、杖から謎の光……雷を放った。そして、獣は全員消え、綺麗な石と皮になった。
「……あ…ありがとうございます……」
「へへっ!どーいたしまして!……あっ、怪我視点じゃん!」
盾で守ってくれた剣を持った青年はホマレが怪我をしていることに気づいた。
「怪我したなら任せてください~!」
剣を持った青年の後ろから、杖を持ったおっとりした少女は、杖からまた謎の光が……緑色の優しい光がホマレを包み込む。そして、光が消え、傷を見ると……怪我が治っていた。
「……?!」
意味が分からず、かたまた。
「おーい、大丈夫かー?」
弓を持っている、だるそうな少年はホマレのほっぺを指で突っついた。
「……け……怪我…が……一瞬で……」
「「「「?」」」」
冒険者の四人は首を傾げた。
この世界ではこういうことが当たり前なのだろう…とホマレは思った。だが、不思議すぎる。
混乱しているホマレに、剣を持った青年は聞いた。
「君……職業なに?」
「しょく……ぎょう……?」