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月から出た星の人

作者: 絵里子

  月から出た星の人


 『冬と春の合間』からピアノが漏れ聞こえる。人狼は、シャガールの絵そっくりの月が窓から昇り始めるのに気づいた。


 年を取った星の人が、赤い帽子をかぶってやってきて、ひらりと月から舞い降りた。仰天して見ているうちに、月に一礼して、帽子から氷の玉を取り出す。氷玉はそのまま、光の球になって並木通りの街灯をひとつひとつ点した。ついていくと、木々の寒々とした枝が舗道に影をおとしていて、人狼は悲しくなった。星の人がほっほっほーと笑い声をあげた。背中に大きなふくろをしょっている。

  耳を澄ましてみると、クリスマスソングがきこえてきた。人狼が元の場所へ戻ってみると、お月さまは空高く登って、北風が雪を降らし始め、街の時計がディンドン鳴った。

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夜語り 『夜語り』企画
― 新着の感想 ―
[一言] 企画よりお邪魔しました。 より一層雰囲気を味わいたいなと思い、シャガールの絵を検索してから、もう一度読みました。 『冬と春の合間』というのが、ちょっとドキドキするワードでいいなと思いました…
[一言] ふわり、ふわり、誰もが浮き上がりそうなシャガールの薄青いあの世界。 青の世界に浮かび上がる赤が鮮烈ですね。 あり得ないことがあり得るような、当たり前じゃないことが当たり前になるような、地…
[一言] シャガールと言う言葉で青い色と夢の感じが思い浮かびますね。 ストーリーも夢のようなファンタジーですね。
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