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入学編1
無神 集はキスをした。
相手は集の通う中学のアイドル、夕立 白亜だ。
場所は集の家の前。
毎朝白亜が迎えに来てくれるのだ。
深く甘い接吻が終わり、ゆっくりと顔を離す。
唾液が糸をひき、日の光を浴びてきらきらと輝く。
「じゃあ学校行こうか」
「そうだね」
肩を並べて幸せそうに登校する2人に、すれ違う生徒達は舌打ちし、主婦達は微笑ましく見守る。
幸せな日常。
集と白亜は同じクラスだ。
なので当然教室でもイチャイチャする。
授業中でも見つめあう。
「お前ら本当に仲いいよな」
当然だ。
なぜなら――
「だって恋人だもの!」
「愛し合ってるからね!」
そしてひしっと抱き合う。
いつもの光景だ。
抱き合ったまま見つめあう。
そして顔が近づいていき――
ピピピピピ
「はっ!」
その通り。
夢だ。
「過去の記憶……か」
※この夢はフィクションです。
「懐かしいな~」
※フィクションです。
言っていて悲しくなる。
とりあえず、
「ふあぁぁぁ~~」
ああ、いい欠伸。