表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/45

『歌声の消えた海』

 邦題はやや誇張がある。殺されるのが歌手だからこうなったのだろうけれど、別に海に放り込まれたわけではなく、銃で撃たれて殺されるのだ。原題はトラブルドウォーターで、証拠品をことごとく海に捨てることからついているのだろう。犯人役のロバート・ヴォーンは、ナポレオンソロの主演で、子どものころからよく見ていて好きな俳優だし、コロンボものでも何回か犯人を演じている。また、コロンボが最初っから現れていることもあって、二人の絡みが殺人以前からあって、なかなか愉しいつくりになっている。「うちのかみさん」が当てた懸賞旅行にコロンボ夫妻も乗り込んでいるので、どうやって「かみさん」を登場させないままドラマを進行させるのかという愉しみもある。

 そういった余技の部分で非常に面白い回だけれども、肝心のトリックや捜査については余り面白みがない。まあ、サービス回だと思って愉しむのが、ファンの心得だろう。船上のこととて、充分な鑑識もできないので、虫眼鏡を使うコロンボがいつになく名探偵っぽいのが笑えるし、珍しくアロハシャツを着た姿は、コロンボもの以外でのピーター・フォークを彷彿とさせる。犯人と一緒に酒を飲むシーンで、なかなかグラスに口をつけないで、最後に一口だけつけて、颯爽と去るところも面白い。

 犯人の目星をつけるのは偶然船酔いのために看護室に行ったからだし、犯人の妻との絡みも直接決め手に繋がらないあたりも納得の行かないつくりになっている。せっかく、夫に寛容ではない年上の妻なのだから、もう少し出番が欲しかったところだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ