表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/45

『意識の下の映像』

 原題の意味は「二重露出」か。それでは不正確であり、むしろ邦題の方が正しいといえる。「意識の下の映像」とは、サブリミナル効果のことを表していて、私はおそらく小学生のときにこのドラマを見て、サブリミナル効果というものを知り、そしてそれが禁止されているという知識も同時に得たに違いない。実際にサブリミナル効果は19世紀末に発見され、20世紀半ばには使用され、1973年に禁止されているらしい。そしてこのドラマは1973年に放送されているので、最新のテクノロジーを反映したものだったわけだ。(今ではその効果自体が疑わしいということになっているらしい。)

 そういった心理学を研究するマーケッターの社長が犯人役で、ロバート・カルプが演じている。コロンボものによく登場するこの犯人役の演技力と、テクノロジーの利用が優れているが、それ以外には見所が少ない話だと思える。コロンボが最初「ドクター・ケプル」というのを「ミスター・ケプル」と言ってしまったので、犯人の方も恐らくコロンボのことを「ルテナント・コロンボ」ではなく「ミスター・コロンボ」と呼び続けたのだろう、吹き替えではずっと「コロンボ君」と言っている。

 キャビアが塩辛いことや、映画のフィルムは途中で取り替えることなど、当時小学生だった私のような視聴者にとっては情報量満載の話だったけれど、コロンボと犯人の対決や、決定的証拠の現し方には、他のコロンボから比べれば在り来たりのように思える。それでも、犯人がサブリミナルを使ったのならコロンボも使うといった意趣返しは面白いし、最後にドクターが、自負を持って狂気の笑い声を発するところなどは、感心する。当て馬に使われた被害者の妻を「犯人ならもっとマシなアリバイを用意するはず」と言って最初から容疑者から外すところや、犯人がゴルフでずるをするところなど、人間観察の妙ももちろん表現されているが、いつものコロンボ以上ではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ