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ヴァルテンブルクの末裔  作者: 銀月
2.守護者の森
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護り手たる人間よ

これは我らが誓約と盟約の証

そして我らと汝らとの友情の証


我ら輝けるこの光にかけて

この地に生きるものの守護者とならん

そして我らの誓いをここに記さん




 ふと気づくと、わたしはまた外を見つめていた。


 ……どうしてわたしが選ばれたの?

 もうずっと頭を離れない疑問に、溜息をひとつ吐く。

 なぜわたしなのか。ほんとうにわたしでよいのか。


 頭上はるか高くで輝く月は、何も答えてくれない。




 夜空に輝く月に、約束のときはもうすぐだと感じる。


 日に日に姿を変え、時が着実に過ぎていくことを示す月。

 湧き上がる期待と力に、わたしの心臓が早鐘を打つ。


 わたしはうっとりと月を見つめる。


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