第二話 噂
対コルト戦闘組織GANの本部に着いた俺、芽上 双は手短に戦闘報告を告げ、隊務室の自分の席についた。先程戦闘を行った場所は少し本部から離れたところであり、身体が勝手にため息をついた。
それを心配したのか声をかけてくる男が1人。
「なんだよため息なんてついて。強かったのか?」
この男は俺と同じ赤帆隊に属す戦士。階級は俺と同じ上等級。同僚と言ったところか。名を 霧島 ゴヨウ。こいつはなかなか良い奴で、友達思いでコミュニケーションの取り方も上手く、赤帆隊だけでなく他の隊の戦士からも慕われている。
「そうでもないさ。歩いてここまで来たから疲れただけさ。」
「へっ。そうかい。」
ゴヨウの顔にえくぼが浮かぶ。その後、何かを思い出したかのように続けた。
「そーいや、お前が出てる間に緊急の隊長会議が開かれてな。今、赤帆隊長が出席してる最中なんだが、妙な噂が流れてるんだ。」
「妙な噂?」
「あぁ。なにやらコルトの新型らしい。」
「ふぅん。新型か……」
新型のコルトか。一体どんなタイプなんだろうか。
これまでに確認されているコルトの種類は2種類。1つは、先程俺が戦った剣を持って戦うコルト。2つ目は完全防御型のコルト。攻撃力は殆ど無いが、その代わり、かなりの硬度を持つ装甲と盾を持ち、それを貫通したとしてもその下にも、硬い皮膚を持ちなかなか倒すのには時間がかかる。
新しいタイプはどんなタイプなのかを考えていると、隊務室の自動ドアが開いた。
「なんだ。帰ってきてたのか、双。」
この方が俺とゴヨウの隊長、赤帆 シユウ。
GANにたった6人しか居ない隊長級だ。しかも数少ない二刀流使い。この男に憧れGANの入隊を志願する者も多い。
「双が帰ってきてるならちょうどいい。隊務会を開く。本部内にいる隊員を呼んでくれ。」
「了解。」
ゴヨウは胸元が通信機をとりだし、メッセージを数行打ち込み、隊員に一斉送信をした。
数分もすれば全員が集まるだろう。
俺はどうしても新型コルトの事が気になってしまい、じっとしては居られず聞いてまることにした。
「隊長。どうやら新型コルトがいるっていう噂が流れているらしいんですが、それに隊長会議の内容に関係あったのですか?」
「ほう。もう噂になっているのか。」
と、隊長は言い咳払いをした。
「内容は全員きてからにしようか。」
隊長はニヤリと口元を少し上にあげ言った。
バトルマニアの隊長が浮かべるこの表情は、戦いを楽しくさせる情報を本部長が聴いたのだろう。
そう思うと早く聞きたくて仕方がない。全員集まるのが待ち遠しかった。
かなり不自然なところで終わってますが、ご容赦ください。




