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夢で見たもの
夢を見た。
雨の中、一人の少年が泥だらけになりながらも走り続ける夢を。
長い間走っていたのか、脚はほとんど上がっておらずいつ転んでもおかしくない走り方だった。
その予感は当たり、何もない平たい道で少年は転んでしまう。
転んで地に伏した少年には容赦なく雨が襲う。
少年は泣いているらしく、顔には雨の水に混じり頬に涙の筋があった。
「――――――」
少年の言葉は雨の音に隠れ聞こえない。
目が覚めると、頬に残る涙の後に問いかける。
何故、まだこの夢を見る? 俺にこの夢を見る資格はもう無いというのに。