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真実の愛

作者: akagi46

 六年前、私、田村涼子(たむら りょうこ )は初めて恋をし、初めて命の大切さを知った。そして夢が出来た。

 六年前、私、田村涼子(たむら りょうこ )は初めて恋をし、初めて命の大切さを知った。そして夢が出来た。


 平成5年7月9日。私は18歳の誕生日を迎えた。大学受験に追われる人を後目に私は呑気に自分の誕生日を満喫していた。美味しい料理にケーキ全てが日常と違っていた。親友の和美かずみ圭介けいすけ、そして幼馴染の三波みなみと一緒に誕生パーティーをしていた。私以外は全員進学するつもりで時間がない中、私のために集まってくれた。

 「誕生日おめでとう」

和美の大きい声とともにパーティーは始まった。みんなからお祝いの言葉お貰い、そしてプレゼントを貰った。パーティーは和やかに進みそろそろ解散になろうかとした時、不意に三波がこっちに寄ってきて

「涼子。お前に話したい事があるからこの後いいか?」

何も知らない私は

「別にいいよ」

と答えみんなと別れのあいさつをし解散した。

三波の後について近くの公園に行くと近くのブランコに座った。

「お前は大学に行かないのか?」

三波はそんなことを言ってきた。

「私が今から勉強したってどこも行けないよ」

ホントは三波が行こうとしている国際医療学校に行きたかった。でも必死に勉強しても、どうやってもそこまでの学力に到達しなかった。そして今年の春、担任にお前は無理だから大学を変えろと言われた。そして私は勉強する気が全くおきなくなってしまった。

「今からでも遅くない俺と一緒に勉強して医療大学行かないか?」

「三波が学年でトップだからって私の学力を上げることなんて無理だよ」

大学の事でもう泣かないと決めたはずなのに目じりから涙がこぼれてきた。

「やってもみないでどうして決めつけるんだよ。」

「解るよ!どんだけ頑張っても成績は上がらないし。終いには担任に諦めろって言われたんだよ。」

「そんなんで諦めるのかよ。最後までやってみないと解らないだろ。最後までやってみようぜ。」

「どうしてそこまで私に大学の事を推すの?私は解ってて挑戦するのはもう嫌なんだよ」

三波は一息吸うと

「俺は田村涼子が好きだ。そして一緒に大学に通いたいんだよ。」

「え?」

咄嗟の事で私の頭の中は真っ白になってしまった。

「涼子と一緒に学食食べたいし。一緒に授業だって受けたい。ただそれだけだ。それだけのために勉強しようって言ってるんだよ。悪いか」

・・・ぷっ

「何それ?私と大学行くためだけに勉強させたいの?」

「おっおう。悪いかよ」

「・・・1ヶ月だよ。1ヶ月でテストの順位半分以上にしたらいいよ。」

三波の顔が緩む

「よっしゃー。1ヶ月でやってやるぜ。」

「勘違いしないでよね。私は大学に行きたいだけでみなみと行きたいとは一言も言ってないんだからね。」

「ちぇ なんだよそこまで言ったら普通付き合うだろ。」

「大学行けたら考えてあげる。」


そんなことは言ったのはよかったが、そこから1ヶ月は必死だった。授業始まる前から学校に来て三波と一緒に苦手科目の勉強をして、

学校が終わると教室に残りまた苦手科目の勉強をした。家に帰ると宿題を終わらして得意科目の勉強をした。週末になると市の図書館に行き勉強をした。

 そしてテストの日。やることはやった。後はやるしかない。

「後は今までやってきたことを発揮するだけだぞ。テスト中寝るんじゃないぞ。」

「わかってるよ。そんなこと言って自分は大丈夫なの?」

「お前と一緒にするなよ」

そう言って自分の席に帰って行った。

「三波君と前より仲良くなったね~もしかして付き合ってるんじゃない?」

隣の席の和美が冷やかしてきた。

「べッ別に付き合ってなんかないよ。」

「ふーん」

和美はにやけながら教科書に目を通した始めた。

「ただ勉強教えてもらってるだけですきなんかじゃ・・・」

そしてテスト開始のチャイムが鳴った。

テストは順調とはいかないが前よりは問題の解けるとこが増えていた。そして無事にテストは終わった。


そして帰り和美と圭介と三波でカラオケに行くことになった。

「テストどうだった?」

和美が聞いてきた。

「まあまあだよ。でも前よりは出来た気がする。」

三波の方を見ると、三波と目が合い。すぐに下を向いてしまった。

圭介と和美は顔を合わせると

「おっと俺達ちょっと用事が出来た。」

「後はお二人でごゆっくり~」

そう言うと二人は走ってどこかに行ってしまった。

三波の方を見ると

「あいつら余計なことしやがって・・・」

とブツブツ言ってた。

「とりあえずどこかでも行く?」

私がそう言うと

「あっああそうだな。」

そう言い私たちはゲームセンターに向かった。


 夕方、私はついさっき撮ったプリクラを公園のベンチに座りながら見ていた。

「何この顔~笑顔ぐらい作れないの~」

「うるせーこういうの苦手なんだよ。」

「でもありがとね。私のために勉強教えてくれて。・・・少し見直した。」

「ん?なんか言ったか?」

「何でもないよ~」

そして私はベンチから立ち上がると三波が追って来るのを見て。

「なんだよ教えろよ」

三波の方を見て

「教えないよー・・・あっ」

石につまずいてバランスを崩してしまった。

倒れそうになる私の腕を掴むものがあった。

「ちゃんと前見て歩かないと危ないだろ」

そう言うと三波は腕を引き寄せて体制を直した。

「ありがと」

そう言って三波の顔を見ると三波と私までの距離がほんの少ししかなかった。

・・・沈黙が夜へと変わる赤紫の世界を包んだ。

 三波の息が私の顔にあたる。私の顔がすぅーっと熱くなった。

 三波の顔が近ずいてくるのが解る。

 目を瞑り三波の唇が私の唇に重なる。そして人の話し声が近ずいてくるのが聞こえると慌てて離れた。ほんの数秒だったはずが永遠に感じた。

 その後ろくに話す事もなく帰路についた。



 翌日、三波と普通に話せたがどこかタドタドしかった。そして和美と圭介が私たちの事を茶化してきた。そしていつも通りの日常に戻った。

 そして一週間後テストの結果は帰ってきた。順位は半分を大きく上回りとても良くなっていた。まだ大学に入れるには程遠いがそれでもとてもうれしかった。

 担任との面談でもこれなら頑張れば入れるかもしれないと言われた。

 それからよりいっそ勉強に励むようになった。時間が空くとと三波のところに行き積極的に解らないところを聞いていった。

 10月11月と過ぎていくに連れテストの点数はどんどん良くなっていった。

そして12月、センター前のテストでやっと大学のボーダーを切ることができた。

 三波との約束で大学に入るまでは遊ばないと決めていたがクリスマスの日勉強を教えてくれた事のお礼に一日だけデートをすることになった。

駅前に集合し映画にショッピングと楽しい時間を過ごした。そして夕食をファーストフード店で済ませ、私たちの始まりの公園に向かった。

白い息が口から出てくる。

「これ私からの誕生日プレゼント。手編みじゃないけどマフラーだよ」

そう言うと手編みとはいかないがマフラーを取り出して渡した。

「なんだよ~手編みじゃないのかよ~まあ勉強とかで忙しかったから仕方ないか」

「来年は手編みのやつあげるよ」

「じゃあ俺は・・・」

三波はポケットから小包を取り出すと小さい赤い石の埋め込まれた指輪を出して私の薬指にはめた

「ちょっと奮発したんだぜ」

「べッ別に付き合ってるわけじゃないのに薬指にはめないでよ。」

「別にいいだろ~減るもんじゃないし」

「まっまあ今日はみなみへの感謝のために集まったんだから今日だけは許してあげる」

「なんだよそれ。」

そしベンチに腰を下ろした。

「来年大学に行けてまたこうやってここに来れるかな?」

「俺が教えてるんだぜ落ちるわけないだろ」

三波は笑いながらこっちを見てくる。どうしてだろ?三波のが言うとホントに受かるようが気がする。

「ふふふ・・・みなみが言うと本当に受かる気がする。でも、もし落ちても近くの大学行ってみなみと一緒にまたこうやってここに来ようね」

「だから受かるって。そんな事考えてんじゃねーよ。」

「・・・ねえ私からもう一つクリスマスプレゼントあげる」

「えっ」

三波がこっちに振り向くと同時に私の唇が三波の唇を奪う。

「ハッピークリスマス」

三波の顔が驚きから平静を取り戻すと、三波は私の肩を掴み唇を重ねようとしたが三波の唇の前に人差し指で抑え

「それは大学受かったらね」

と言った。

「何だよそれー、もう一回位いいだろー」

「だ~め」

雪の降る公園を笑顔で追いかけ合う二人の姿がそこにあった。その指には赤い石の埋め込まれた指輪が光り二人の顔はとても笑顔だった。

そして1月。センター試験当日。みんなと集合してバラバラの教室に入って行った。

 センター試験一日目は無事に終わりを告げた。テストもとても良く出来たという手応えがあった。

 そしてセンター試験二日目。和美と圭介が集まり後は三波だけになった。だがいつまで経っても三波は現れなかった。携帯に連絡しても三波は出なかった。

 もう中に入って勉強しているんだろうと思い三人は中に入ってバラバラの教室に入って行った

 テストは無事に終わった。だが三波はテストが終わっても教室から出てこなかった。中には言っても三波の姿は無かった。

 そして携帯が鳴った。相手は母親だった。

「もしもし何?」

「三波君が、三波君が大変なの。今すぐ○○病院に来て」

私は試験会場を飛びだすと走って病院に向かった。

 203号室。そこが三波の病室だった。扉を開けると、そこには包帯に包まれた三波の姿があった。その姿は見るに堪えないものだった。そして三波の目は瞑ったままだった。

「みなみどうしたの?どうしてそんな格好してるの?」

私は三波の手を握って泣きじゃくった。何時間泣いただろう。三波の母を残してみんな帰ってしまっていた。私が落ち着いたのを見ると何が起こったのか説明した。

 三波はセンター1日目の後、交差点に飛び出した子供を助けるためにトラックにひかれたそうだ。意外に傷は浅いからその内目を覚ますだろうと先生も言っていると教えてくれた。

 しかし三波は1ヶ月2か月経っても目を覚まさなかった。私は無事国際医療大学に合格した。しかし隣にいるはずの三波の姿は無かった。

 そして私は三波を助けるために医者になろうと決めた。

そして私は必死に勉強し大学を首席で卒業した。






そして六年後

「今ここに初めての手術が成功しました。目を覚まさないだろうと言われた青年の目を開けさせると言う快挙を成し遂げました。その医者の名は田村涼子さんです。」


-そして思い出の公園には手をつなぐ二人の姿があった。


最期まで読んでいただきありがとうございます。

初めて書いた小説なので誤字脱字と至らない点も多かったと思います。

そんな中でも良かったなど意見がありましたら、どんどん書いてください。


そしてもし良かったと思ったら

http://com.nicovideo.jp/community/co1235902

こちらの放送主に小説よかったですって言ってください。

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