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68話 安い?高い?

「え、俺そんな仕事を受けるなんて――」

「実は苺と合流する前に1階層で暇潰ししてたら、さっきのデカゴブリンと同じ様にデカいスライムがいてさ。まだ他の探索者に被害はなかったみたいなんだけど、それでもこれはやばいと思ってさくっと討伐。待ち合わせ時間ギリギリになるのは分かってたけど、慌てて探索者協会に戻って、報告してたってわけ。それであの時は急いでたんだよね」

「は、はぁ……。その、それは分かりましたけど、俺は――」

「そうしたら、探索者協会から特別クエストを受けることができてさ。報酬はなんとなんと300万円! いやぁ、ケチな探索者協会がこれだけ出してくれることなんてそうそうないよ!」

「それってガチャ何回分になるの?」

「ガチャ? ゲームアプリのやつかな?それだと確か1万円で30回ちょっとのことが多いはずだから、まぁ300万円を5人で割って手取り60万円にしても……1800回転はできると思うけど――」

「1800!? は、遥様……」


 物欲しそうな目で見つめてくるハチ。

 ガチャはほどほどにして欲しいが、元々無一文のハチにとってまとまったお金が手に入るのは有難いことだろうし、そもそも今回はもっと深い階層を狙っての長期侵入だ。

 ついでにそれをこなすだけで大金が手に入るのなら、この誘いは受け得でしかない。


「分かりました。5階層までの統率モンスターの討伐に協力――」

「ちょっといいかしら?」


 俺が仕事を受けようとすると、陽葵さんが口を開いた。


「300万円。パッと聞いた分には大金って感じがするけど、これだけ強力なモンスターの討伐、しかも複数にしては安い気がするのは私だけかしら?邪推だったら悪いんだけど、あなたたち、探索者協会からの報酬って本当にこれだけなのかしら?」

「……いやぁ、鋭いな。確かにそれだけじゃないさ。でも、それは大したことじゃないよ。特に、既にモンスターと契約していて、飼い場所も見つかってるであろう君たち3人にはね」

「それ言っていいの?さっきはダメって……」

「3人は会長のこともう知ってるんだってさ。なら、僕たちがモンスターと契約していることも伝達済み。もう隠す必要はない」

「そう……。だったらもう1回……。お前、お金稼いで、モンスターを飼う場所の優先権獲得。それとその場所、施設の建設場所の確保と施設建設を急かすため、一緒に戦って欲しい。取り敢えずこの子、住める場所を――」

「あ、それを出すのはここじゃ駄目だ、苺。他の探索者も見ているし……。言いたいことは伝わったはずだから、もっと深い階層人気のない場所でお披露目会といこうじゃないか。そのときは勿論僕も見せる。だから遥君たちもモンスターを見せてもらえるよね?」

「それは……」

「そうね。もっと深い階層で見せてあげるわ。凄い特別なモンスターを。それじゃあ剥ぎ取りはここまでにして下に向かいましょう」


 ハチは宮平さんの言葉に訝しげに笑って見せると、全員を先導しながらダンジョンを進むのだった。

お読みいただきありがとうございます。

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