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331話 最先端

「……ナルほど。技量でカバーするタイプか……。ダが、現状ノ性能ハこちらガ上なハズ……それ二、スキルも、伸び代もナ!!」



 ぼこんとスキルイーターの腕の筋肉が盛り上がり、薙刀に強く力が込められる。


 俺もそれに抗うため踏みつける力を強めたが、それでも弾かれてしまった。


 超身体強化を発動してこれということは、ステータスにはないフィジカルの強さ、筋力や瞬発力といった側面では本当に今の俺よりも上なのだろう。


 レベルアップによる影響、攻撃力の上昇はあくまでダメージアップが主で腕力は微量強化だから焦ったりはしないけど……それでも少し驚きはしたかな。



「だあっ!!」

「……色々言ってもそれか」



 破れかぶれ、ってわけではないけど達人の動きからは欠け離れた薙刀の扱い。


 威勢がいい分、振る速さは上がっているように見えるけど避けられないというほどじゃない。


 とはいえ、振り切られた薙刀は岩や、硬い地面を簡単に切り裂いていて危険ではある。


 さっきのようにリスクを負ってまで無理矢理攻撃に撃って出る必要はないか。


 にしても、騎馬戦を想定していたんだとしてもこんな特殊な武器を選ぶなんて……。確かに見た目はかっこいいと思うけど――



 ――ズン。




「身体、強化ダッタカ?」

「お前、まさか……」



 どうやって倒してやろうか考えていると、踏み込んだスキルイーターの足が鈍い音を鳴らしながら凹みを作った。


 異変に気付いた俺はスキルイーターの放った言葉を聞きながら、大袈裟に距離を空ける。



 ダメージアップが恐ろしいわけじゃない、それよりも速度、もっと言えば距離を縮める力が恐ろしいのだ。


 今までと同じ様に避ければ、最初の一撃以上に伸びが感じられ、身体が真っ二つになることもあり得る。



 まさか身体強化をこの短時間で得るなんて……見ただけでスキルを盗めるってなったら反則だろ。

 いや、別に陽葵さんのことを悪く言っているつもりはないんだよ。



「――面白く、単純なスキルダ。スキルとしテ発現してなくても、再現できてしまう。要は、こう……解放してヤれバいいだけダロウ? スキル化してやる必要もない」

「……スキル、化?」



 スキルイーターの雰囲気がガラリと変わる。

 その変化には驚いたが、それよりも驚きなのはこれがスキルの発動とは別だと言っていること。


 そんなわけはない。

 あれはどう見ても俺の持つ身体強化――



『対象の手持ちスキルに身体強化というものはありません。発動に失敗しました、補完効果が適用されません』



「神測できないだと……」



 あり得ないことだと思い、神測してみたものの結果は意外なものだった。


 スキルじゃないというなら、あれは一体?



「スキルというのハ、若イ奴ラが誰にでも使えるモノとして、形作られたモノ。まぁ、進化のカテイデ、スキル独自ノ効果が現れルヨウニナッタらしいが……本来、これらはタダノ技術で……。……。……。アレ、俺……今?」

「記憶が混濁に……いや、混ざってしまって消えかかっているのか?惨いな」



 不自然に首を傾げる意味を思い、少しだけ可哀想という気持ちが湧きそうになるが、当時の映像を思い出して塞ぎ混む。



 そして俺はその雑念までとことん殺すことために地面に手をおく。



「トニかく、俺の強化のホウが強イ!!」

「そうだな、そうかもしれない。先人の知恵は凄いから。でも……他のスキル、最先端のものであればそれよりも遥かに凄いかもだぞ」

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