27話(他キャラ視点エピソード) 下着土下座
「ん? また地響きか……。そろそろオロチ討伐の招集が掛かりそうだな。頼んだぞ、陽葵。お前が頑張れば頑張るほど、俺の名声も高まる。そう。だって俺たちはチームなんだからな!」
「はい。私は、私たちは慎二様の望みに応えられるように頑張ります」
「ふふふ……。あははははははははっ! 従順な奴は好きだぞ! そうだ、ご褒美として今日はお前だけにしてやるよ!」
自分の意思とは無関係に、言葉が紡がれる。
下品な言葉に下半身が疼く。
魅了を掛けられてから3日。
それに抵抗できたのは初日だけで、以降は慎二の思うがまま。
慎二のチームに加えられて、オロチの討伐隊に参加。ダンジョン探索では、収集した素材を全て献上。
プライベートな時間なんて殆どなくて、ダンジョン探索以外は慎二の家で沢山の女性たちに混ざって奉仕。
信二は流石に面倒ごとは避けたいのか、そういった道具は使ってくれるけど、私の尊厳は急速に破壊されていく。
自分から慎二を求めて、快楽に溺れるなんて嫌なのに、嫌なのに嫌なのに嫌なのに……そんな自分がどうしようもなく嫌いになる。
「遥、君……」
「おい……。陽葵、今なんて言った?」
助けを乞うように絞り出た名前に慎二は敏感に反応。
途端に表情は変わり、私の髪を引っ張った。
「俺の前でその名前を出すとどうなるか、まぁだ分かっていないなんて、そんなはずないよな?」
「あ、あぁ……。すみませんすみませんすみませんすみません! 今のは無意識に、はる……あの人間の憎たらしい態度をふっと思い出しただけで……。ほ、ほら思い出し笑いというのがあるじゃないですか! それと似たようなもので思い出してイライラしてですね……。信じてください! 私はあなた、慎二様にしか興味はありません!」
「そうか……。だったら誠意を見せろ。今、ここで」
「はい。かしこまりました」
服を脱ぎ、下着姿で土下座。
今ではこんなことも躊躇なくできてしまう。
「まさか、その程度で許されるとでも? 全部だ。全部脱いで誠意を見せろ!」
下着を破かれ、大事なところを見られる。
不思議とそれを隠したいとは思わない。
情けなくて、泣きたいのに、泣くことができない。できるのは笑うことだけ。
「見られて嬉しいなんざ、とんだ変態女だ! よし、今日はダンジョンに侵入するのは止めだ! お前ら! 俺を気絶するくらい満足させてみ――」
私の態度に満足したのか、慎二は自らも服を脱ごうと立ち上がった。
だけど、それと同時にベッドに置いていた慎二のスマホに討伐隊の人からメッセージが届く。
「くそ! いいところだったのに……。なんかもう白けちまったな」
「……」
表情には出せないけど、安堵で腰が抜けそうになる。
助かった。討伐隊の人だけじゃない。私今、オロチに、モンスターにも感謝してしまっている。
「って今から招集だと!? ……。まぁいいか。どうせ今日は打ち合わせだけだろうからな。おいお前たち、出かけるぞ。さっさと準備しろ」
明らかに不機嫌な慎二の命令で私たちは身支度をすると、ご奉仕をして寝て、起きてご奉仕をして……そんな繰り返しをするためだけに存在している慎二の家を出た。
ここにはもう戻ってきたくない。戻ってこないためにも……。
……。遥君。私も、もうすぐそっちに行くかもしれないわ。
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