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225話 アプデ

「『情報電気網:読み取り更新(アップデート)』」

 電気の回路が床に浮かび上がると、今度はスキルイーターたちの身体にもそれが這った。

 そして回路が2、3度点滅すると山吹の身体は一段と輝き、額に汗を浮かべた。

 さっきまでのものよりも規模が小さいとはいえ、反動は大きいらしい。


「ふぅ……。こんだけ一気に詰め込むとなかなかしんどいな。つるつるな脳みそがシワだらけになったみたいだぜ」「今度は何をしたんだ?」「モンスターからスキルの情報を読み取って、それに沿った身体、頭にアップデートしたってとこかな?」「かな?って、自分で分かってないのかよ!」「これがもっと便利で、そのままスキルを使えるようになるとかなら分かりやすいんだけどさ……。そうじゃなくて、あくまで俺なんかでもいつかそのスキルを取得できるようになる、程度にしか変化しないからすぐには効果を実感できねえんだわ」「宝の持ち腐れ状態か……。とはいえ、何も活かせないよりかは遥かにいいか」「おっ! 並木遥だけに遥かにいいってか?」「……」


 しょうもない親父ギャグで実際の気温以上に寒くなった気が……。

 ああもう、こんなもやもやも寒いのも一思いにぶっ飛ばしてやろうか。  苺だってこっちの倉庫には何の思い入れもないだろ。


「上級炎魔法……」「ちょちょちょ、ちょっと待てって!」


 久しぶりにド派手な魔法でも使おうと、魔法陣を展開……したんだけど、山吹が焦った顔で止めに入った。

 つくづく相性悪いな、この人。


「万が一のことも考えて凍ってるモンスターを焼き払いたいんだけど」「焼き払うって……この倉庫ごと吹っ飛ばそうとしたよね!? 今の魔法陣のデカさは異常だったって!滅級魔法でも使う気だっただろ!?」「……それでも別に構わないでしょ?こんなところ山吹だってようはないはず」「いや、ここ思ったよりも広いし良さそうじゃん? だからしばらくはここに暮らしちゃおうかな……なんて」「まだ1階層を完全に任せられるかどうか決まってないってのに……。ま、住むことに関しては別に問題はないだろうけどさ」「よっしゃ! それじゃ、モンスターは丁寧に葬って頂いて……あ、でもでもこの『冷凍保存』を発動してる奴は残しといてな! 冷蔵庫代わりにするから」「発想やばくない?」「天才だろ? それと住まいにするなら掃除も必須……ということで、実は並木遥に朗報がありますでする」


 間違いまくった敬語を御披露目しながら、山吹は俺の肩に触れた。

 すると山吹の身体はまたバチバチと音をたてながら発光。 そして、その光は俺の身体に伝達。


 不思議と痛みはないけど、髪の毛が電気で逆立って違和感が……それと、山吹の不気味な顔が近すぎて怖い。


「更新内容を他者へ導入(インストール)


 電気が身体の中を伝って勝手に筋肉が、内臓が動く。 今まで意識したこともない動きが発生する動揺と、新しさが全身を駆け巡り……。


『新しいスキルを強制的に取得させられました。これに対するダメージ、状態異常はありません』


 あまり聞きなれない言い回しをするアナウンスが頭の中に流れたのだった。

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