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220話 悪戯の醍醐味

「――よし。まず敵対するモンスター、スキルの対照モンスターとそれ以外のモンスターの頒布場所を測ってっと……」



 1階層まで戻ったのは俺と山吹だけだった。


 陽葵さんや宮平さんたちには契約をする探索者のサポート。

 苺にはその場に留まってもらって、連れてきた、或いは誘導したモンスターや捕縛したモンスターと意志疎通を任せ、俺は先んじてその場所を神測、一通りモンスターの場所を教えたあと1階層へ。



 場合によっては苺自らモンスターの元に出向いてもらうのもいいと思ったけど、誤解を扱える宮平さんや魅了を扱える陽葵さんがいれば苺の留まる場所にモンスターを移動させるのは簡単。


 であれば苺にはそこにいてもらった方がいいという判断で……つまり、俺はみんなと違ってある程度仕事に融通がきいたから戻ってこれたってわけだ。



 決してお邪魔虫だとか、暇だとかじゃない。



 ちなみに陽葵さんたちのスキルで無理矢理言うことを聞かせるってこともできるけど、その場合スキルが切れた場合万が一にも赤の時と同じように契約を上書きされかねない。


 そもそも、それじゃあ奴隷にするのと変わらないから、やっぱり対話をしようという風になった。



 山吹はそういった話を聞きながら少し待ってくれていたんだけど……理解し難いのか、ずっと不思議そうな顔だったのが印象に残った。



 今も隣で神測待ちしているけど、山吹とはあまり仲良くなれないかもしれな――



『――1階層モンスターの神測。スキルによるマップ作成とそれに書き込むことで情報を保管。また対照、対象外のアイコンをモンスターの頭上に表示』



 思考を巡らせているうちに神測は終了。


 俺は作成されたというマップを顕現させて一通り眼を通すと、今度は山吹が本当になにか隠していないかもう一度神測を発動していく。



「神測を1階層全域で、なにか特殊なアイテムや不自然な場所を――」

「さっきの階層でもやってたけどよ、そのスキルすげえな。範囲は広いし、持続時間も長い。それに効果はそれだけじゃないんだろ?」



 作業中に興味津々といった様子でマップを覗き込む山吹。


 無駄に距離が近い。



「あらゆるものを測って補完するスキル……らしい。レベルに依存するけど際限は今のところな――」

「ストップ! おいおいおいおい! そんなぺらぺらスキルのこと喋っちまっていいのかよ!」

「……今は協力すべき時だからな。敵意がなければこれくらいは。それに、山吹くらいなら問題なさそうだ」

「へぇ、言ってくれるね。まぁ確かに俺じゃ相手にならないだろうけど。にしても、そこまで信用してもらえたなら俺も力の一端は見せるべきかもな。ただあんまり、みんなには言いすぎないでくれよ。こう言うのはこっそりやってサプライズ、あとは『悪戯』でやるのが最高なんだからよ……『情報電気網(エレキネットフィールド)』」



 山吹が地面に手をつきスキルを発動すると、1階層全体に回路のようなものがちらつき、すぐに消えた。


 どんな効果なのかは分からなけど、この範囲、規模……宮平さんはB級以下の探索者だと思うって言ってたけど俺には到底そうは思えなかった。

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