コント(ガレージ)
ーーここは田舎、ボケの自宅。独り暮らしで一軒家に住んでいる。防犯対策しっかりのガレージがあり、2台の乗用車が停められても多少の余裕がある広さだ。ボケはマクラーレンGTリュクスと軽自動車を所有している。
ツッコミ「おーい! 遊びに来てやったぞ!」
ボケ「助けてー! ガレージに閉じ込められた!」
ツッコミ「何やってんだよ。シャッター開けりゃいいじゃん」
ーーカシャン。ツッコミはシャッターに手を掛ける。
ボケ「やめろ! 警備会社に通報されちゃう」
ツッコミ「ごめんで済ませてもらおうぜ?」
ボケ「ダメだ! 昨日も誤ってセンサーを作動させちゃったから、ごめんで済むか分からん」
ツッコミ「セレブなのに抜けてるよな、お前」
ボケ「取り敢えず、助けてくれ」
ツッコミ「どうやってだよ?」
ボケ「一旦、自宅の玄関から入って、ガレージに通じるドアの外鍵を外してくれ」
ツッコミ「仕方ないな。ちょっと待ってろ」
ーーツッコミは玄関のドアを開けようとするが、鍵が掛かっていて開かない。
ツッコミ「おーい! 中に入れないぞ! どうする?」
ボケ「あっ! ガレージの裏手にドアがある。そっちに回ってくれ。外鍵で開くはずだ」
ーーツッコミはガレージの裏手に行く。背面は土手だ。ツッコミは外鍵を外してドアを開けた。
ツッコミ「これで救出完了任務完了だな」
ーーツッコミがドアを閉めると鍵が掛かってしまった。ツッコミはドアノブをガチャガチャやるが開かない。
ツッコミ「おい、どうなってるんだよ。これも防犯システムか?」
ボケ「いや。立て付けが悪いだけだ」
ツッコミ「なにそれ…………俺まで閉じ込められた?」
ボケ「ビンゴ」
ツッコミ「バカ! どうするんだよ?」
ボケ「取り敢えず、携帯電話ない?」
ツッコミ「ケータイケータイと」
ーーツッコミはポケットを探すが携帯電話がない。
ボケ「携帯電話さえあれば、警備会社に連絡して事情を説明出来る」
ツッコミ「ない…………ケータイないー!」
ボケ「なぁーにぃー!」
ツッコミ「車に忘れてきた……どうしよう」
ボケ「まだ死にたくない」
ツッコミ「こんな事で死なねえよ。他に脱出方法は?」
ボケ「取り敢えず、誰か来るのを待とう。鳴くまで待とうホトトギス」
ツッコミ「こんな田舎に誰が来るんだよ」
ボケ「宅配とか」
ツッコミ「何か頼んである?」
ボケ「いや、なんも」
ツッコミ「バカ! 一瞬期待した俺もバカだった」
ボケ「取り敢えず、ポーカーでもやる?」
ツッコミ「アホか! 冷静過ぎるだろ。この状況解ってる?」
ーーツッコミはガレージ内をうろうろする。
ボケ「おい、あんまり動くとセンサーが反応しちまう。特にシャッターの足下は」
ツッコミ「もうさ。センサーでも何でも反応させて、警備会社に助けてもらおうぜ」
ボケ「ダメだ。怒られたくない」
ツッコミ「お前って小心者だよな。こういう時こそ気合いだ。良いスポーツカーを所有してるんだし」
ボケ「気合いがあっても怒られる時は怒られる」
ツッコミ「マクラーレンってバタフライドアだよな」
ボケ「正式名称はディヘドラルドア。ガルウイングとは一味違うぜ」
ツッコミ「ちょっと座らせてよ」
ーーツッコミは運転席のディヘドラルドアを開けた。ビービービー! 盗難装置が鳴る。
ボケ「何やってんだよ!」
ツッコミ「あ、やべ」
ーーボケは慌ててマクラーレンのディヘドラルドアを下げる。その時に足下のセンサーを踏み、警備会社に通報が行く。
ボケ「しまったー!」
ツッコミ「どうした!?」
ボケ「センサーに触れちゃった」
ツッコミ「ま。警備会社に事件じゃない事を説明するんだな」
ボケ「怒られるー!」
ツッコミ「生きて出られたんだから良しとしようぜ」