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2-03-02 里の畑

 キャンプ朝、俺は魔法についてマリアから教えてもらうことが出来ました。



 マリアとのひと時の後、少し遅れて二人が起きてきた。

 どうやら初めてこちらで飲んだアルコールのために、いつも朝早いはずのサリーも、今朝はぐっすりと寝ていたようだ。

 空の雲行きが少し怪しくなってきたので、早めに朝ご飯を済ますことにする。


 朝はパン屋で買った菓子パンと家で温めてきた缶詰のスープ。

 牛乳で倍に延ばす濃縮のコーンポタージュスープだ。


 これは寸胴一杯分作って、中身をストレージに入れてある。

 小鍋を出して、ストレージから少しのお湯を鍋に移す。

 最初にマグカップに鍋のお湯を分け淹れ、カップを温める。

 まだ、俺のテクニックではストレージからマグカップに直接入れることは難しいので、少し冷めてしまうが、一度小鍋を経由する。

 次に同様にスープを小鍋に出して、温まったマグカップに入れる。

 最初ストレージに入った液体を、直接コップに出そうとして、コップの内側をイメージして出すと、多少のブレがあり、それがコップの周りにこぼれてしまっていた。

 何回かやってみて、コップの中心をイメージしてストレージから出すことで、こぼれないようになったと思われる。

 直接液体を取り出すのって、まだ慎重になる必要がある。


 簡単な食事の割には、暖かなコーンスープの味は好評であった。

 俺の好きな銘柄で、長年多くの人に飲まれてきた世界的な缶入りコーンポタージュだ。


 食事のあと片付けは、食べ終わった食器をバケツに貼ったぬるまで洗い、汚水とバケツを分けてストレージに収納する。

 ストレージに入れるときは、出すときのようなこぼれる心配はないのでバケツの中のすべての水をイメージすればよい。


 温めなどに使用する水やお湯など汚れていないものは良いが、食べ物で汚れた水を里に捨てると、養分となり、ここの植生が変わってしまうかもしれない。

 この地には捨てずに、なるべく持って帰ることにしている。

 まあ、完全になどと言うと変な縛りになってしまうので、なるべく汚さないくらいの気持ちで良いだろう。


 ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇


 雲行きが怪しいので、今日は遠くの探索ではなく、この小屋近くの畑だった場所の薬草と同じ草がないかを探そう。

 夜明け前から見た限り、以前のような薬草が発する燐光は見当たらなかった。

 婆さんも満月がどうとか言っていたような気もするので、多分熟する時期とかもあるのかもしれない。


 あと、以前草を洗っていた湧き水も枯れているようなので、この辺の地下水の流れも変わってしまっているのかもしれない。


 最初は小屋があった場所の調査を行う。

 何しろ、現物を見たことがあるのはサリーと俺しかいない。

 さらに言うと、それは加工した後の品であり、普通に生えている状態は、俺が子供の時見たはずではあるが、それがどんな状態だったのか全く覚えていない。


 とりあえず、それっぽい草を抜いてみてサリーと観察してみるが、なんともわからない。

 とりあえず、サンプルと言うことで、ストレージに入れていく。


「サリーがストレージに入れた草だけど、一度パラセルに金額の査定をしてもらったら?」

 と、なんと目からうろこのアドバイス。


 確かに貴薬草の元であれば、単なる草より価格が高いかもしれない。

 鑑定のように商品の内容が判るわけではないが、査定により値段を知ることができる。

 おれは、ストレージ内に入れた草を1つずつ商品査定に掛けて行く。


 驚くことに、査定を行うと、雑草であっても、すべてパラスに換算できるようだ。

 まあ、それほど大きな金額ではないが、まあどこかの世界ではこの雑草を買いたいと思う人がいるのだろう。

 確かに、草がない場所であれば雑草も貴重なのかもしれないし、家畜のえさになるのかもしれない。


 既にいくつかの種類を抜いて収納していたが、ストレージに入れた雑草の値ごろ感はつかんだ。

 ただ一度抜いてしまうと、枯れてしまうことになる。

 そこで、根があるくらいの深さの土ごとストレージに入れて査定してみた。

 土がある分、若干パラスが高くなる。

 そしてそれをもとの場所に取り出した。


 時間がたたなければ何とも言えないが、多分枯れはしないと思う。

 要領が判ったので、畑があった付近に紐を10メートル間隔でマス目に区切って張ってもらう。

 最初に、ホームセンターで買っておいた50mまで測れる巻きメジャーを出し、それと長めのペグを出す。

 イザベラとマリアが両端を持ちメジャーをぴんと張り、サリーと俺が10mごとにペグを指していく

 次に並行になるように両端が50m先に同じく10mごとにペグを打つ。


 そして、今度は同様に方向の縦横を入れ替えてペグを打つ。

 これで、50m四方に10mごとのマス目ができたことになる。


 最初に10mx50mの範囲のペグに、測量用の赤と白の長い棒をあててもらう。

 たまたまホームセンターの測量用品のコーナーで、メジャーと一緒に買っておいたのだ。

 精密ピンポールという物らしい。

 俺が1つのコーナーに立ち、残りの3コーナーにピンポールを持った3人に立ってもらう。


 この状態で、ピンポールの内側の草と土のみをストレージに入れて一括して査定する予定だ。

 収納対象は草と土に限定しているが、収納時に巻き込まれると怖いので、3人には地面を取り込む事を伝えて、その範囲の外側に立つように説明する

 そして、少し内側の範囲を順番に査定して記録していった。


 最初に50m×50mの四隅をマークした全体の価格を査定する。

 全体を査定したが、貴薬草が含まれそうな突出した高額の査定にはならなかった。


 次に、50mx10mごとに5回査定を行い、さらに90度方向を変えて同じことを繰り返す。

 これだけの面積を査定すると、含まれる草も平均化されるので、大体似たような値段が査定される。

 こうして畑の区画を含む全体を査定してみた。

 査定結果から、他よりは何倍か高い長方形のマス目があり、それを縦横別にマス目としてプロットしていく。

 すると、縦横の交点が3か所ほど重なるマス目があることが判った。


 そのエリアについて再度査定を行う。

 最初に、そのエリアのブロックを半分だけ査定して、そのエリア全体と比較して、どちら側が高い部分になるか調べる。

 次にその高い半分の対象をさらに半分にして同様に比較して、範囲を絞り込む。

 4回繰り返すと1/16、すなわち約3mの範囲まで絞り込める。

 3か所の高かった場所に対して、これを行う。

 縦横を入れ替えてこれを行うと、3か所のスポットが判明した。


 今度はピンポールを見つけた位置の中心線に置き、畑地の交点範囲に入り、周囲を2m四方で順に査定、更に高い範囲を次に半分として絞ってゆく。

 そしてついに高い草2本を見つけることができた。

 もう1か所は、落ちていた石が高く査定された。


 何しろどれが高い草かはわからないので、目で見て探すことなどできないので、サリーのアドバイスに感謝だ。

 何とか午前中いっぱいかかり、3本の高い草を発見した。

 これは葉の形が貴薬草とは異なるので、一般的な薬草なのかもしれない。


 そこそこ高い値段のようだが、この大量の草むら、それも50m四方もある中から、1本や2本の草を探すのは、普通だったら至難の業だ。

 査定が使えなければ、俺だったらしたくない。


 まあ、サリーの世界では薬草採取で暮らしている人がいるらしく、見つけるのが簡単ではない薬草は当然高い値段が付くらしい。

 そんな高い薬草は、何日も探して、たまたま1本でも見つかれば良い方らしい。


 俺達は、薬草採取としてはかなりのズルをしたわけだが、それでも身に染みてわかった。

 あ、これがただ高いパラスが付くというだけで、薬草かどうかは、俺たちにはわからないけどね。


 見つけた物をどうするかは、戻ってから誰か詳しい人に聞いてみよう。

 さて、少し遅くなったがお昼ごはんにしよう。


 テントに戻ると、ぽつぽつと雨が落ち始めた。

 テントの外に出してあったテーブルや椅子、発電機などをストレージに収納した。


 こちらは何とか濡れる前に収納できたが、外で捜索している真希さんが心配だ。

 トランシーバで確認すると、雨具があるから問題ないと言っている。

 電波は届いているようで、安心した。


 昼ご飯はテントの中に先ほど持ってきたテーブルを出して、テントの中で食事をすることにした。

 あと、離れた小テントのトイレに行く時用に、傘も出しておく。

 俺はポケットからいろんなものを出し入れする猫型ロボットか?


 雨も上がり、ようやく捜索の再開のようですね。



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この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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