2-02-07 次元と歴史
閑話です。
この物語の世界の成り立ちを、ちょっと触れてみたいと思います。
地球や太陽系を含む銀河系は、渦を巻いている天の川の中にある。
もし、夜空に地球と同じ星座が見えると言うことは、それは今の銀河系の中の太陽系である必要がある。
天の川に存在する星系は常に動いており、常にその配置を変えている。
今人類が、この地球と同じ夜空を眺めることができる星は地球と言うことになる。
もし、次元が異なる地球からであれば、同じ空間座標にあるので、同じ夜空を眺めることが可能と思われる。
人は、これまで夜空の天体を眺めて生きてきた。
そもそも、この世界の地球があっても、ここが太陽の周りを廻っている丸い惑星で! という地動説が一般的になったのですら、まだたかだか500年しか経っていない。
ましてや、地球儀のような地図を持っている世界は、沢山ある次元のうちで限られてくる。
当然人類が絶滅してしまった、次元もある。
それは天変地異があったこともあろう、戦争などで自滅もあったであろう、対処できない未知のウィルスであったこともあろう。
今人類が残っている次元と言うのは、それらに打ち勝ち、生き残った人類がいるから存在している次元である。
この地球であっても、大きな事故により人類が絶滅する可能性があったようだ。
北極にあった工場での事故は、人類に対して大きな影響を与えた。
それは、5000年前の忌まわしい事故であり、北極大陸崩壊で地球上の高度文明や多くの人口が失われた。
まず次元によっては、氷でできた大陸やその山脈がすべて粉砕され、海水に溶け込んだ。
南極がすべて沈んだと思えば近いかもしれない。
それは、数十メートルの地球の海面上昇を招き、そして、低い平野はすべて水没した。
多くの人類は作物を作り、沿岸に住んでいたので、生活基盤も破壊された。
長い年月で、山から流れ着いた砂が作る扇状地は、また海に帰っていき、海面から顔をのぞかせた陸地部分の姿はすっかりと変わってしまった。
それから5000年ほどで、人類は生活を取り戻した。
マリア、イザベラの世界では、工場は事故で停止するが、爆発せずに、北極大陸は破壊されなかった。
しかし活動が止まった工場跡地は極低温で氷の山に飲み込まれていき、長い年月の後、多くの海水が北の地で大きな氷の山を形成した。
北極での巨大な氷の成長は、地球の海面低下を巻き起こした。
おかげで陸地面積は増え、地球の陸地は増え、形状は大きく変わることとなった。
それまでの地球は、その北の工場で作られたマナクリスタルを用いた力を用いた文明が中心であった。
それが失われたこの世界では、それに代わる新たな力を必要とした。
この世界で、最初は熱で発生させた水蒸気を自由にコントロールし、そこから得られる力で出来る技術を得る。 産業革命である。
サリーの世界ではその発見にうまく繋がっていけなかったか、まだそこに至っていないかと思われる。
それは、5000年前に発生した事故のうち、たかだか最近の200年くらいの差である。
そして、より大きな熱量を生み出す石炭・石油、そして原子力と言う熱エネルギーを得ていくことになる。
そして、そこから生み出される電気は、最初は電灯や電話など簡単なところから始まり、ほんの短い間に急速に発展を遂げることになる。
ここで忘れてはいけない事として、この世界でも電気という物が家庭に普及したのは、まだほんの100年しか経過していないことだ。
なにしろ、電灯線というが普及し始めて、まだ100年ほどしかたっていない。
長らく電灯線と呼ばれていたことからわかるように、昭和の時代になっても住宅には、1個の裸電球が天井からぶら下がっている位しかなかったようだ。
第2次世界大戦が終わり、経済が復興となり、ラジオ、テレビの普及となり、そこから爆発的な電気製品の普及に繋がっていく。
そう、電気という物を生み出し、それによる文明により、この世界はマナクリスタルが無くなった世界から無事に脱却ができた。
イザベラの世界では、マナクリスタルが残され、またそれ以前に使われていた摩導具が再生され活用されている。
マリアの世界では、魔法使いが文明の中心を司っている。
そう、彼女たちの世界とは大きな違いがあるようである。
ここまでわかったことはエターナルという物が、この地球上に有るか無いかと言うことになりそうだ。
これはまだ仮説であるが、その北の工場の爆発に関係がありそうだ。
イザベラの世界では調査や研究していたようであるが、その爆発は地球環境に多大なる影響を出したようで、我々の世界からエターナルを枯渇させてしまった。
良し悪しはわからないが、どうやら宇宙空間ではエターナルはあって当たり前の存在の様である。
この地球ではエターナル以外のも宇宙から飛んでくる宇宙線と呼ばれる放射線も同様に遮断されて地表にはほとんど届いていない。
地球には磁場という物があり、磁力線が地球を取り巻いている。
それはバンアレン帯と呼ばれ、南極から北極へ向かう地球外の磁力線に沿った形で存在する。
ひょっとすると、この地球ではその磁力線でエターナルを遠ざけているのかもしれない。
それが解れば、この地球でも5000年前のようにマナクリスタルを作ることが出来るようになるのかもしれない。
まあ、それを調査することは慎二達には無理であるが、宇宙へ行ける人がいればぜひ調べてほしいと思った。
これまでに異次元人やベテランヘルパーから聞いたり考えたことをまとめると、
5000年前まで高度文明が存在した。
その時代は北極は陸地であり、氷の地表や山で覆われていた
その時代、宇宙からの流れ込むエターナルからマナクリスタルを作る方法があり、北極の施設を用いて集められたエネルギーにより高度な文明を築いていた。
北極の極地にある生成装置が故障し、暴走した結果、そこで次元がいくつかに分岐した。
工場が大爆発した世界では、北極の氷がほとんど溶けて、多くの低地は水没し陸地の多くの割合が水没した。
工場が停止した世界では、それまで装置によって極地に収束して吸い取られていたエターナルが地上に届くようになった。
文明を持った国や人間、施設の多くは、海に近い低い高度である平野の陸地にあったため、大爆発があった世界では、回避する時すら持たずに多くの文明は水没して消えた。
比較的高地にあった地域は水没を免れて新たな文明や国家が築かれ始めることとなった。
また推測であるが、大爆発の結果、生成中や保管されていたマナクリスタルを生成する物質が爆発飛散し、大気中に分布してしまった。
長い年月で、それが地球表面の地磁気層に引き寄せられたのではないかと思われる。
地球を取り巻く地磁気層にマナクリスタルの成分の層が形成され、宇宙から近づくエターナルと反発して、エターナル流は地表に届かなくなる。
それにより地球の地表でエターナル流はほぼ消滅した。
これが慎二やサリーの世界と思われる。
装置の暴走の際、大爆発が回避された世界はエターナル流がそれまでよりも多く流れ込むようになり、やがて体内に取り込めるものが魔法を使うようになったのがマリアの世界。
また古代文明時代に結晶化したマナクリスタルが残存し、マナを利用した高度文明が再生されたのがイザベラの世界のようだ。
とする、あくまで慎二個人の推測だ。
自分の生まれる前の時代は、わからないものです。
今の世界がずっと続いているように感じますが、現代文明などは人類史上ではほんのわずかな期間です。




