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2-02-06 八神 美咲

 今回は、山の途中まで一緒だった、巫女の八神さんのお話です。



 わたしは、八神美咲(みさき)

 今高校生です。


 私の家は、代々続く神社で、1000年以上の歴史があるようです。

 古くから伝わる大きな神社で、祖父、父、母とも神社が職場です。


 父は、学生時代に巫女をやってた母を見初めて、神道に入ったようです。

、そして、こちらに婿養子に入り、義父であるおじい様の宮司職を継ぎ、今は父がこちらの宮司をやっています。


 私は小さいころから、巫女をやっている母にいろいろと教えられてきました。

 今は、町の中にある家から高校に通っており、友達には私が巫女をやっていることは特に話してはいません。


 でも、神社での祈願や年末年始・祭典など、神社の繁忙期には、今も助勤で巫女をやっています。

 山の中の神社なので、学校の友達がこんなところまでわざわざ来ることはありませんから、特に隠しているわけではありませんが、気が付いた人はいないようです。


 巫女が嫌ってわけではありませんが、この時代にそんな宗教ごとが嘘っぽくて、なんかいやだなって気はしています。

 なにしろ、私の神社では白い狼の神様、白神様を祀っており、代々受け継がれていますが、スマホ全盛の今の時代に神様って何かそぐわないかなって思います。

 でも、逆にそんな巫女さんのような姿にあこがれて、遠くからやってくる女子もいるようです。


 どちらかと言うと、その衣装にあこがれ、単にコスプレのように思っているのかもしれません。


 でも、本物の巫女になるにはそんな簡単なものではありません。

 いろいろな舞や祝詞を覚え、修行をして、神がかった儀式などを行う必要があります。


 昔の事はわかりませんが、私達一族は1000年近くもこの地からはなれられずにいるようで、今なお縛られ続けるこの地から私は逃げ出したいのも本音です。

 そう、私どもには、先祖伝来守り続けた山があります。

 絵馬にもある白狼伝説というのは、昔々に白神様が偉い方を助け、結果太子様の命で私達の祖先がこの地を守る事になったという言い伝えです。



 先日、突然呼び出しがあり、近くその お山の結界に行ってほしいと言われました。

 以前、この山の中の土地を使っておられる方がいたのですが、私がまだ幼き頃に疾走されてしまいました。

 その方が貴子さんと言う方で、その捜索のために、時折この山の結界を解き、また施すために私も呼びださ


 そう、うちの神社の勤めとして、山にある結界の管理があります。

 母からの遺伝だと言われているのですが、私には結界を施す能力があるらしく、現在私供の守るべき山の土地に、結界を張り、穢れの侵入を防いでいます。

 私は小さなころから結界を施す母の祈祷に同行していたのですが、10歳ころからは私の担当になってしまったようです。

 山は神様の住むところであり、穢れたものが山に入り込まないように、要所に結界が施してあります。

 結界は目に見えるものではありませんので、本当に邪悪なものに効いているのとかは、やっている私自身よくわかりませんが。 はぁ。



 ここの結界は、遥か昔になされたもので、それが古くなると私たち神社の物が治し、お祓いを行うと言うことが繰り返されてきました。

 今回、真希さんと貴子さんの孫と言う方たちに同行して、山に入りました。

 かなり早朝の出発だったので、わたしは前日からおじいさんの神社に泊まって、真希さんの車で拾ってもらいました。


 真希さんとは、その貴子さんの捜索の時に何度もご一緒し、仲良くなりました。

 サバイバルゲームなどをされており、真希さんはちょっと男っぽい感じの姉さんって感じの人です。


 山へ行くのは、その貴子さんの孫の慎二って人です。

 一人かと思っていたら、なんと綺麗な外国の女性たちとご一緒です。


 銀髪のスラっとしたスタイルのモデルさんみたいな方。

 茶髪の可愛らしい方。

 そして、ちょっと強いオーラを発した金髪の女性。

 はっきり言って、平均的な日本女性の私なんかでは敵い(かない)ません。


 山に行くと言うのきれいな女性を引き連れて、最初貴子さんの孫は、チャラ男かなって思いました。



 結界に到着すると、ちょっと驚きました。

 それは、私がお祓いを行うために巫女の衣装に着替えているときの話です。


 なんと慎二さん達が、恐れ多くも私たち神社が施した結界の中に入ると言うのです。

 この結界は、2つに割れた大きな石に しめ縄が掛けられており、石の間にお供えが置かれています。

 その中に入って行くと言うのです。


 私は小さいころからここに連れられてきており、結界と言う話を何度も聞き、今はその結界を守ることをしています。

 確かに、石の間にお供えは置いていますが、その先には山の斜面が壁となっており、石の奥で行き止まりになっている、とこれまでずっと思っていました。

 思っていると言うか、割れた石の奥には山肌しか見えません。


 ところが、彼らはそのままどんどん進んでいきました。

 えっ? どこに入って行くの?

 真希さんも一緒について入って行きます。


 ちょっと待って!

 慌てて私も追いかけると、私の中に入れました。

 山肌だとずっと思っていたのに、本当に普通に石の間を抜けて、石の反対側に出ることが出来たのです。

 これまで、通れないと思っていたのは何だったのでしょうか?


 彼らはこのまま、貴子さんの畑に向かうと言うことですが、私は山に行く準備などしていません。

 とても気になりますが、まるでミステリーゾーンへの入り口のようで、ちょっと怖いなと言う思いもあって、その時はお祓いをして戻ると伝えました。


 その日は、神社へ連絡して麓まで迎えに来てもらう事になっていたのですが、祖父に伝え、一緒に山に入ってもらう事を頼みました。

 スマホで調べると、どうも明日は天気が悪くなると言うことだったので、今日のうちに見せたいと思ったのです。


 一旦、麓におりで、車を待ちます。

 祖父が到着すると、老体に鞭を打ってでも結界に登ってもらいました。

 まあ、結界までであれば、老人でも行ける山道です。


 ところが、せっかく祖父に来てもらったのに、今度は結界の中に入ることが出来ません。

 奥には山肌が見えており、さわっても土があるだけで、さっきどうやってこの中に入ったかすらわかりません。


 信じてほしくて祖父にいろいろ言おうとしたのですが、逆に祖父がつぶやきました。


「やはり白神様が来ておられるのじゃな。

 黒妖は神社に戻ってきておるが、なんかお山が騒がしく感じるのぅ」


「おじいさま、それはどういうことでしょうか?」


「多分、近く従者の方が黒妖を取りに、神社に来られるのじゃないかのぅ。

 急いで、準備をする必要がありそうじゃ」


 そう、私の神社では黒妖という物を神社の宝として守っているらしいのですが、私が生まれるずいぶん前からその黒妖はある従者の方に渡されて神社にはなかったようです。

 黒妖は年に一度、宮司が祠から出すようですが、私が黒妖を初めて見たのは最近の事で、神社戻ったという黒妖を祭りの際に父である宮司から見せてもらいました。

 祖父が言うには、その黒妖を、また従者の方が取りに来るのではないかと言う話です。


 祖父は、山の結界まで登ってもらって、疲れたかと思ったのですが、なんかとても嬉しそうで、生き生きしています。

 従者の方に黒妖を渡されたのは祖父であり、それが戻ってきてしまったと言うことは白神様がいなくなったいう伝承があります。


 祖父はその従者の方にお会いした事が有るようですが、ひょっとすると、それが貴子さんなのかもしれません。

 貴子さんが行方不明になってから、祖父は少し力が抜けてしまったようでした。

 きっと、自分の役割が終わってしまったように感じていたのかもしれません。


 でも、やっぱり私には白神様が本当にいるなんては思えません。


 美咲さんは現代っ子のようですね。

 目に見えない神様をずっと守り続けるのは大変な事ですね。


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この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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