9-01-01 国民募集説明会
新編となります。
時間が少し経過し、カノ島の発展は続き、カノ国は成長を続けています。
ここは名古屋にあるカノ国大使館である。
先日行った告知に対し、本日これから 国を作ってゆくためのメンバーとなる人への説明会がここであり、第一期移住による国民募集をする。
説明会は朝10時からはじまり、昼休みを除き、1時間ごとに4時まで行われる。
説明会の各回定員は100名であり、定員のうち半分は予約制となっており、予約が取れなかった人には朝9時から当日整理券を配り、空いた回に順に参加いただくこととなっている。
当初は、それほど人が来るのかと心配したが、説明会が始まる前に整理券はすでに無くなってしまった。
説明会には海外からもかなりの数の予約が入っている。
この説明会の告知は、カオルチャンネルでしか行っていないのだが、いやはや...
「本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
私はカノ国で外交を担当しています、西脇 唯華と申します。
本日は説明の後、質疑応答時間を設けます。
しかし説明会はこの後も何部か行われますので、お時間が来ましたら終了となります。
この説明会で質問ができなかった方は、配布資料の末尾にあります移住説明ページの掲示板にて質問をお受けいたします。
こちらはこの説明会参加者のみの非公開の掲示板となり、参加者が書かれた質問内容を他の参加者もご覧いただけるように共有しています。
プライベート掲示板ですので、参加されていない方に内容を漏らさないでください。
書き込まれる方は、他の方にも共有されることを意識したうえで、ご質問の書き込みをお願いいたします。
また質問掲示板以外に、合否発表、今後の予定や計画など、こちらからの情報はすべてこの移住説明ページにおいて掲載されます。
本日の説明会の最後に、この掲示板へ接続するIDを発行しますので、移住を前提とされる方は配布資料の最後にあるバングル申し込み書にご記入の上、簡易版バングルをお付けください。
この登録書式記入が皆様と我が国の最初のお約束となりますので、虚偽なくご記入の上ご提出ください。
これはバングル発行の申し込み申し込み書であって、新規移住申し込みは、移住応募ページから行ってもらいます。
今回バングルをもらったからと言って、移住を強制されることはありませんので心配は不要です。
今回の移住に関しましては、国家の機密事項もございますので、移住に際してのお約束が守られない方の参加はご遠慮いただくことと考えております。
その場合、お渡しするIDは抹消され、今後の国民募集への参加はお断りすることになりますので、ご注意ください」
そう説明があると、皆さん配布された資料をめくりだした。
ここで、次の説明者であるサリーに担当が変わった。
「総務担当のサリーと申します。
それでは、簡単に移住・新規国民に関する情報をお伝えします。
まだ今の状態では国というより、この説明会では島と呼びます。
カオルチャンネルをご覧になられた方はすでにご存じだと思いますが、この国は先日発見されました新島を国家とする、国としての機能を最初から立ち上げる仕事となります。
募集の要綱にも記載しましたように、移住につきましては、元の国籍や年齢・性別は問いませんが、互いの作業の支障にならないように日本語をベースとして行いますので、簡単な日本語の読み書き会話ができることが必要となります。
第一期移住は島を開拓する事が目的ですので、他人の介助や保護が必要な方、病気の心配のある方は 今回は無理であるとお考え下さい。
また、大きな犯罪歴や薬物等の依存者の新規国民となる事は、やはりご遠慮いただいております。
小さなお子さまに関しましては、親権者が面倒を見ることができる場合に限り一緒に新規国民に参加できます。
但し、島には保育設備や教育施設はまだございませんのでご注意ください。
特にご注意いただきたいこととして、今回は労働者ではなく、この国に住む移住募集ですので、入国時にカノ国の国民となっていただく方が募集の対象です。
日本国とはすでに特別条約が結ばれており、年度更新により日本国籍とわがカノ国では両国籍の保持が可能です。
日本国以外の二重国籍を認めていない国からご参加の場合、参加時点で新たな国籍となり、元の国籍を喪失しますので、それを前提で参加のご検討をお願いします。
次に申請や連絡方法について説明します。
まず、私の腕にあるこの、バングルと呼ばれますが、これは国民のIDを示すもので、入国中はパスポートや財布、鍵となりますので、島内や本国施設内では常に必要となります。
皆様が正式な国民となられましたら、このバングル形式ではなく、指に嵌める国民リングという物が配布されます。
今回の説明をお聞きになり、移住をご検討いただける場合、正式な国民リングが発行されるまでに間、簡易版であるこの白いバングルを腕に嵌めていただくことになります。
国民になった時点で、白いバングルから正式な国民リングへ変更されます。
本日から当面は試験期間であり、白いバングルをご使用ください。
バングルは目立つものではありませんし、入浴や手洗いなど生活は普通通りに行っていただけます。
自分の意志であれば、いつでも簡単に腕から外すことができます。
それと、今回お配りする白いバングルのご返却や移住辞退の連絡は必要ありません。
受け取り後に新規移住を辞退されたい場合は、バングルを腕から外すと、それによりバングルの機能は完全停止します。
一度外したバングルの機能は破壊され、再利用はできません。
さらに、同じ人に対しては、一度しか発行されませんので、ご注意ください。
当方への連絡には、このバングルが発行するワンタイムのパスコードが必要となります。
ですので、バングルが機能停止しますと、以降は当方への連絡はできなくなります。
新規国民になることを完全に取りやめられるまでは、不用意に腕からバングルを外さないようにご注意ください」
ここで、会場で手を挙げた人が何人かいる。
「説明会の時間が決まっておりますので、質問は最後の質疑応答もしくは移住説明 ページからお願いします。
次に、この説明会に続く手続き方法についてお話させていただきます。
移住を希望される方は、案内ページをご覧の上、そちらで発表されます期限までに新規国民希望申請を、移住による国民募集ページより行ってください。
申し込みは2週間後から始まり、1か月間で締め切る予定です。
ここで書類審査が終了した順に、書類審査合格者番号が順にページで発表されます。
書類審査合格者には、日程をご相談の上、この場所で面接が行われます。
早い方ですと、2週間後から面接が始まり、遅くとも2か月後までに最終合格者は決定されます。
合格定員はありますが、今回の新規移住につきましては、あまり気にしないでください。
予定では第一期移住はご準備いただいた後、今から3か月後の出発となります」
すべて説明書に書いてあることを話しただけであるが、メモをしている人がいるので、少し説明に間を取る。
「次に、現在の島の状況を説明いたします。
先日の配信でご覧いただいたように、島にはなにもございません。
その後の上陸で、最低限の施設設置は行いましたが、まだそこが未開拓の孤島であることをご理解ください。
入島者は新規国民として、国の施設の整備や安全、防衛、生活など基盤の立ち上げや国の経済防衛などの素案や計画など、多岐にわたる内容を一から作り上げることになります。
そのため多方面の職種の方や知識をお持ちの方のご参会をお待ちしております。
まだ国としての法律も確定していませんので、何をされるにも規制は一切ありません。
なされることに対して免許や資格は存在としません。
ただし、他人に害をなす行為や島の環境に悪影響をもたらす行為については禁止しております。
この後、質疑応答に入りたいと思います。
では質問がある方は挙手を願います。一人一件でお願いします」
「北海道からきました佐藤と申します。
今のご説明では書類選考の後、面接とお話しいただきましたが、告知では試験があると書いてあったのですが、どうなるのでしょうか?」
「はい。
今回は第一期移住者となるため、すべてに対して人材はおりませんので、まだ人材を絞る事はできませんので、書類選考のみで試験はありません。
しかし、今後入島募集が増えてきた場合、移住者のスキルを確認するために試験が行われます。
ですので、応募いただけるのであれば、今回が一番有利と言えますね。
次ございますか?」
「東京の放送局に所属しております、吉田と申します。
私はマスコミ関係ですが、新規国民になることは可能ですか?
また、入島後にカノ国のことを報道することは可能ですか?」
「はい。
国として報道を仕事とされる場合は、そのまま問題ありません。
また、国民になっていただき、国民個人として報道を行うことも制限はありません。
当然国家には情報の機密がありますので、情報の範囲は国民として見聞きできる範囲にはなってしまいますが可能です。
ただし、国の情報を国外に有償で販売されます場合、それは輸出業務に該当しますので、輸出には何らかの徴税が必要と考えます。
これらの仕組みを考えることや徴収方法について考える事も、最初に該当される方の業務になってくると考えます。
また、島では電気、石油、ガスなど提供されていません。
その為、島で従来の電気製品や放送機材、通信機器などは使用できませんのでご注意ください。
はい、ではあなた」
「私はここ名古屋で学生をしています、伊藤と申します。
私はまだ高校生なのですが、参加は可能ですか?」
「はい。
本人の意思があり、自活ができるだけのスキルをお持ちであれば、年齢や職業、学歴は特に問いません。
未成年者の場合、親御さんの承諾があれば一番良いですが、親御さんが新規国民となりたい事情になるのかもしれませんので、ここでは特に問いません。
ただし、島には教育設備はまだありませんので、ご自分で教養を高める努力は必要と考えます。
つぎはあなた」
会場の雰囲気に押されたか? ちょっと自信なさげな表情で手を挙げている人がいるので選んでみる。
「私は現在無職なのですが、新規国民になれば仕事につけますか?」
「はい。
あなたに対応できるスキルがあれば可能です。
スキルとは、特に何かの資格とかは必要ありませんし、何かしらの仕事はたくさんあり、作業の都度報酬が出ます。
住居の心配はありませんし、食堂により食事ができます。
入島後に貯めた報酬だけで、最初の生活は問題なく続けることができると思います。
しかし我が国として働かざる者は求めていませんので、もしあなたにやる気がない場合入島はお勧めしません。
そうでなければ、新規国民として入島をご検討いただくのは、あなたのこれからの人生にとって良い事になるかと考えます」
「そろそろお時間となりますので、これ以降の質問は移住説明ページからお願いします。
今いただきました質問も、この後掲載いたします。
新規国民をお考えいただける場合は、この後 白いバングルの申込書をご記入の上、出口にて腕に装備ください」




