8-01-02 番外編 設定紹介2 宇宙空間
これは本小説の設定資料のご紹介です。
摩導カートが、スキップ移動によりカノ島まで高速に移動できるようになりました。
スキップ移動は、宇宙空間にまで垂直上昇し、そこから斜めに目的地に向かって降下していきます。
地球は丸いですので、距離が離れる場合、一回のスキップ移動では移動できません。
このスキップ移動は、バンアレン帯に到達しない高度を維持するために、安全を見て1000kmの高度に上昇したのち斜めにスライドを開始します。
この1000kmとは、どのような高度なのでしょうか?
東京タワーが333m、スカイツリーが634m、 さらには富士山が3776mですね。
ジェット機はこの富士山の上を通過していきます。
ジェット機が飛行する高度は、地上8kmから~12kmくらいを飛行しています。
地上12kmを超えると、そこな成層圏と呼ばれる範囲となり、空気の密度が薄くなってきます。
空気抵抗は減りますが、酸素が減ると燃焼効率が下がるので、商業的な燃費を重視するジェット機は成層圏よりも下を飛びます。
図の中心の地球表面の周りに赤い円でうっすらと取り巻いているのが成層圏です。
その外側の水色の線は熱圏となります。
こうしてみると、地球を取り巻く空気の層は、地球の周りに薄っすらとしかないことが分かります。
ここでバンアレン帯と言う話が出ましたので、ついでに説明します。
バンアレン帯と言うのはと地球を取り囲む地球の磁場により、宇宙線が引き寄せられたゾーンであり、内帯と外帯とよばれる高度が異なる2つの層により構成されています。
当然遠くに行くほど磁場の影響は小さくなるために、磁力により捉えられる宇宙線が異なるために層が分かれています。
このバンアレン帯の内帯の内側は高度2千キロ程度であるために、安全係数を0.5として高度千キロメートルで摩導カートは折り返してきます。
ここに衛星軌道を重ねてみると、ちょっと面白いです。
GPSはバンアレン帯の外側ギリギリを飛行しています。
宇宙通信の静止衛星はかなり高い位置を、地球の自転速度に同期して飛行しています。
ところが、同じ宇宙に飛び上がっている国際宇宙ステーションISSは地球ギリギリの高度408kmを飛んでいます。
なので、こちらは肉眼でも見ることが出来ます。
観察者の場所が夜間になるが、上空のISSがまだ太陽の光を反射できるギリギリの空間を通過するわずかな時間、太陽光を反射したISSを地上から観察することが出来ます。
まあ、白い光点にしか見えませんが、思ったよりもはやい速度で動いており、夜空の途中でふっと消えていきます。 そう地球の陰に入ってしまったのですね。
バンアレン帯の他にも、地球の周りにはいろいろな自然現象が有ります。
有名な物では電離層と言う電波を反射する層が有り、これは季節や昼夜により層の発生が異なってきます。
冬の夜間にAMラジオなどが遠くの放送が聞こえたり、夏はFMなどの電波が不定期的に遠くまで飛んだりします。
これは、この電離層という物の影響であり、これは太陽から吹いてくる宇宙線により大きな影響を受けます。
周波数が低い電波は、太陽活動に大きく左右され、太陽黒点の数などが常に観測されています。
まあ、普段は全く気にもしていませんが、それ以外にもオゾン層など人間の生命活動に影響を与える層が有ります。
本小説をご覧いただく参考になれば幸いです。




