5-06-10 祝賀会
引っ越しも終わり、とりあえず拠点での共同生活が始まった。
まあ、皆さんの家財など大物はストレージに入っており、教授宅には荷物はそれほど置いてはいない。
なので、単に寝泊まりする場所が変わっただけで、引っ越しとは言えないが。
で、新拠点が出来たことで、お祝いとして例のフードイベントをしようと言う話になった。
といっても、セキュリティ的に拠点建物内に知らない人を入れることはうまくないので、拠点前の雑草地を整備し、そこを会場としてイベント開催する事にした。
早速、埋め立て地側の道路沿いに雑草の一部を刈り、拠点との間は一部雑草を残すことで間仕切りにした。
今回は昼と夜の2部制で考えており、昼間はメンバーだけでいろいろ食べて、これが本当の拠点完成の打ち上げパーティーである。
夜は同じ会場で、佐々木さんの要望による、外部の人を迎えての食事会の場とした。
まあ、どれくらいの人が来るかわからないが、今回は身内のお祝いと言う事で、関係者やその知り合いをメインに考えている。
ただ、この周辺にお住まいの方は、ご家族やお友達もOKとしてあるので、それなりに人数は増えるかな? と思っている。
営業として開催すると、保健所や税務署のご厄介になってしまうので、内輪のパーティーとし、飲食はすべて無料とすることとした。
まあ、周りには何もないので、通りすがりや近所の人が来ると言うことは考えられないので、ここに来る人は招待客と考えても良いだろう。
なので、特にチケットなどはない。 まあ、前回のように飛び入りでも歓迎です。
お店は、拠点の建物側にキッチンカーとその両側にいくつかのお料理テントや飲み物テントを並べ、その周りにイスやテーブルを並べた。
テントがいくつか並んだことで、多くの人が参加しても大丈夫だ。
佐々木さん達には、名古屋フードの調達をお願いし、土手鍋などのお店で持ち帰りとして分けてもらい、各テントに配置した。
調理はキッチンカーでしかできないと思っていたら、どこかで鉄板などとコンロを持ち込んで、焼きそばなども作っている。
各テントでは、有名店などに頼んで仕入れてきたお料理を、温めて配るようだ。
揚げ料理は、なんとテントで揚げて作っている。
どうも、地元の有名店でバイトしている佐々木さんの友達など何人かが協力してくれて、お店と変わらない味が出来ているらしい。
また、富沢さんから富山や北陸の名物や海鮮も沢山持ってきてもらう。
服部さんお気に入りのお店の取り寄せも忘れない。
結構豪華なイベントとなって、皆も是非楽しんで欲しい。
今回のイベントでの実果さんの料理のテーマは、「夏から秋へ」という事らしい。
貴子たちが山で見つけてきた山菜なども材料になるようだ。
ちょうど季節的に、過ぎ去る夏とやってくる味覚の秋の素材を中心に、新作の料理を考えると聞いている。 楽しみである。
前回の苦みの料理も期待している人が多いため、少しで良いから苦い料理もお願いしておいた。
生薬となる物を使うので、あらかじめ富沢漢方薬店に頼んでおかないと、その材料が入ってこない。
この苦みの料理は、富沢さんと実果さんの2人がいたからこそ、初めて生まれた料理だ。
いきなりお願いしても作れない料理なので、あらかじめリクエストしておいた。
今回の拠点作りでお世話になった人や、たまたま知り合った人などが集まる事に成るが、知らない人も結構来ることになるだろう。
これからお世話になるかもしれない人達とも祝いたいので歓迎である。
新しく異次元から来た人たちにとっては、初めてのイベントであり、この世界の味を知りよい機会であり、楽しんでもらいたい。
もっとも、我々はホスト側なので、夜の部は楽しむと言うよりは給仕などで忙しくなると思うが、それでもイベントは楽しい物である。
このイベントが終わると、夏もそろそろ終わりである。
俺達の国づくりの日本の拠点の完成により、いよいよ足場も固まった。
そして、俺たちの活動は新たなステージに突入する。
国を創るという、誰もがやったこと無い作業がこれから本格的に始まる事になる。
楽しみのような、ちょっと怖いような、複雑な心境だ。
無事に慎二たちの基盤も固まった様で、これで地固め編は終了です。
次回からは、慎二達の行動はさらに大きな流れとなり、この世界にも大きな波が広がり始まります。




