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1-03-10 初めての外食

 たくさんの買ったサリーの買い物の品に圧倒されて、思わず途中で部屋に持って帰った慎二君。

 お疲れ様です。



 少し暗くなってきて、商店にも明かりが灯きだしたので、部屋に買った荷物を置くと急いで駅前へ出ることに。


 サリーに俺のアンマガをあげてしまったので、結局のところ俺は朝から飯を食っていない。

 まずは何か食べよう。


 ちなみに彼女にお酒は飲めるのか? と聞いてみたら、なんと飲めるそうだ

 彼女の国では酒に対する年齢的な制限はないとのこと。

 水が飲めない場所を旅する場合、雑菌により腐ってしまう水以上に、アルコール度数が低いワインのようなお酒は、貴重な飲み物となるようだ。

 まあ彼女の国での年数では17歳らしいが、すでに商売人として社会人らしく、日本の大学生よりもしっかりとした感じがする。


 あと、彼女の国には米はなく、またスパゲッティなどの長い麺はなかったようだ

 酸っぱく固いパンか、ショートパスタみたいな物や、朝は麦のお粥であるオートミールみたいなものが中心のようだ

 山での狩猟は活発のようで、また畜産も盛んのようで、主食は肉であり、常に何種類か流通しているらしい。


 さて食事だが、サリーにいきなり箸使いを求めるのは難しそうなので、スプーンやフォークで食べる店だったらイケルかな?

 迷った結果、たまたま目に入ってきたハンバーガーショップに入る事にした。


 ここの食べ物であれば、手づかみで食べても問題ないので、たまたま選んだ店にしては、サリーの最初の食事としては一番良い選択と思われた。

 また、早く簡単に食べられそうで、まだ必要とする買い物が残っているので都合がよい。


 とにかく腹ペコなので、俺が6種類ほど、ビーフ、チキン、フィッシュなど、素材の種類などを変え、適当に選んで注文する。

 これだけ種類があれば、どれか1つくらいはサリーも食べられる素材もあるだろうし、もし余ってもテイクアウトすれば良いし……

 あとは、ポテトとドリンクもご一緒に。

 俺はアイスコーヒー、サリーにはオレンジジュースを注文する。


 女の子との二人分にしては、ちょっと注文量が多かったかな?

 俺たちはカウンターを離れ、番号札を持って、店内の空いた席に座って待つ。


 早速、その番号札についてサリーに質問された。

 ここの販売方法など、いくつかの説明を聞いて、フーンと感心している。


 しばし待つと、待ちに待った注文の品が運ばれてきた。


 俺は飯を食べ損ねてしまっているので、本日初めての食事であり、もう腹ペコたまらない。

 そうは言っても、サリーがどれを食べることができるのかまだわからないので、最初から順に説明をする。


「こうやって中を開けて見てから、君が食べられそうなものを食べればいいよ。

 もし食べてみて嫌いなものや、いやな味、食べられないものが有れば、たとえ食べかけであっても残していいから」


 この世界の食品で、どれが食べられて、彼女の体に大丈夫な材料や調味料であるかはわからない。

 場合によっては、アレルギーや消化ができないものがあるかもしれない。


 あまりスパイシーでないもので、いくつか肉の素材を変えてまずは選んだつもりなので、多分どれかは食べられると思うが……


「これは牛肉だ。 牛の肉をミンチにして、丸めて焼いたものをパンで挟んだ、ビーフハンバーガーだ」


 聞くと、サリーの世界の動物は、この世界と近い種類がいるらしい。

 もっとも、この世界の食肉で使用する動物は、野生の原種などではなく、人間により家畜としてかなり改良された品種である。

 なので、サリーの世界の動物と似ていても、全く同じかどうかはわからないが。

 それは肉に限らず、野菜や穀物も同じであるので、俺は少し心配しながら説明をしている。


 ビーフバーガーは一番標準的な素材かと思ったので、2個買ってある。

 俺も最初はこれを食べようと思っている。


「これは鳥だ。

 チキンに衣を付けて、油で揚げたものをパンで挟んだハンバーガーだ」

 それぞれバンズの中を開けて見せていく。


「これは豚だ。 ポークバーガーだ。

 これは魚だ。 魚を揚げた物が挟んである……」


 こ、こいつ、人の話を聞いてないな?

 説明する俺を尻目に、ビーフに続いて、すでにチキンに突入している。

 そして今は、目を白黒させながらオレンジジュースを……


 俺も遅れじと、ビーフハンバーグを食べ始める。

 俺は食べるのは早い方だと思っていたが、サリーはすでに3個目に……


 作りたてなので、まだ熱いと思うのだが、ハフハフと言いながらも、フライドポテトとオニオンリングにも手が伸びている。


 ポテトの脇にケチャップとマスタードをチューブからそっと出し、それを付けてみせる。


 俺が一息入れてアイスコーヒーを飲んでいる間に、あれだけ大量にあった食べ物は、すっかりきれいに完食されていた。


 そして出た言葉が、

「もうないの?」 だって!


 ケチャップが口元についてますよ。

 ペーパーナプキンを渡して、口を拭うようにジェスチャーする。


 本当に足りないのかなあ……

 結局、俺はハンバーガー1個しか食べることができなかった。

 1本のポテトも口に入っていない。


 ハンバーガー屋さんに、まだ未練タラタラのサリーに、このあと食料品を買うからと言って、なんとか店から引っ張り出した。

 本当は俺も、未練たっぷりなんだけどね。


「チョベリクよりも、スカポロよりも、これまでに食べてきた、すべての食べ物の中で、一番美味しかった!」


 おや? なにやら超高評価のようだ。

 アレルギーなど、食べ物が体に悪影響を与えないかと心配だったので、もう少し時間をあけて様子を見ることにする。

 で、今のところ変わったところといえば、ぽっこりと飛び出たお腹ぐらいで、うん、大丈夫そうだ。

 でも、やはり後から何か発生すると怖いので、俺も今は我慢した。



 次にドラッグストアに向かい、彼女の肩のヤケド傷に効きそうな薬や湿布と保護用のガーゼと包帯、テープなどを調剤師に聞いて購入する。

 部屋にあったも古い薬は使いきってしまったので、新しい化膿止めと、抗生物質も補充しておく。

 大きな傷なので効くとは思えないが、傷痕を綺麗に治すという、ジェルも買っておいた。

 ただ、あの火傷痕は早いうちに医者に見せる必要があるな。

 その場合の心配事として、医者から見ると、この世界の人間でないことがばれないかな?


 それから、忘れないうちに女性店員に女性用品1式も選んでもらう。

 それこそ俺は良く知らないし、サリーに聞いてもこの世界の製品についてはわからないだろうしな。



 そして、本日最後に行くのは、スーパーマーケット。

 サリー用の食器類と食事道具であるカトラリーなど、当面の食品や生活道具を買う。

 特に、俺が会社に出社した時でも、サリー一人で食事ができるように、簡単に調理できる食品を選んでたくさん買い込み、一緒に練習をする予定だ。


 それこそ食品売り場では大変だった。

 ハンバーガーでこの世界の味の一端を知ってしまったサリーが、あれもこれも食べてみたいと言いだし、怖い目をした商人?、いや探索者になっている。


 大型カートの上下に入れたカゴは、既に商品で一杯だ……

 先日まで時間をかけて空に冷蔵庫であるが、この量だ。 何とか収まって欲しい。


 最後にアイスでも買って帰ろう。


 あぁ、とても疲れた。 限界だ。

 とりあえず、これで何日かは巣ごもりしても生活はできるな?


 レジ袋に詰め終わると、ともかく重かった。


 俺の人生で、今日は最も多くの買い物をした1日であった。

 何故なら、こんなに1mを超えたような長いレシートを、何枚ももらった事は、かつて無い。

 間違いなく一番だ。


 これまで仕事一本で無駄遣いはしておらず、給料はそこそこ貯まっている。 はずだ。

 まあ今回爆買いしたとはいえ、小物や日常品、食料品がほとんどなので、金額的には大したことはないが、それにしても買い物は疲れる……


 サリーの肩をかばい、重い袋は俺が持ち、何度か立ち止まって休憩しながらマンションに戻る。

 いそいで生鮮品を冷凍庫、冷蔵庫へ入れる。

 あぁ、俺は何のために、何日もかけて冷蔵庫を空にしてきたのやら……


 サリーには買った商品を見ながら、それぞれの収納場所の説明をするが、

 おい、このカニカマは何だ!

 プリンなどいつ買った!

 これがなにか知ってるのか!?

 亀の子タワシなんか、どうする!


 スーパーでは、サリーの質門攻撃に負けた結果、とりあえず買い物籠に入れてしまった物も多いが、俺が知らぬうちにこっそり籠に入った物もいくつかあるようだ。

 ここに引っ越してから買った大き目の冷蔵庫であったが、初めて食料で満タンになった瞬間であった。 いくつかは入りきらなかったが……


 あと、買った服は仕舞う場所がまだないので、取りあえず袋に入ったまま置きっぱなしだが、食器類は床に置いたままだと割れると危ないので、洗ってきちんと収納した。


 最後に、冷凍庫から買ったアイスをだし、サリーと食べる。

 形が面白いと言ったので、チョコ味のジャンボコーンを買った。


「ひゃー!冷たーい。

 何この黒いの。 苦くて! 甘くって! 美味しーい!

 中は白いしー」


 女子高生みたいな、にぎやかな反応だな。

 そういや17才で、成人ですって言ってたっけ。

 えぇー! それって、まだ高校生の年じゃない!?


 まあ、成人・未成人は、世界の時間や年齢で計算基準が異なるはずだから、異世界人の年齢はこの世界じゃ意味を持たないな。

 例えば、1日が36時間である世界かもしれないし、1年が700日だという可能性もあるしな。


 さらに、成人というのは、もともとその時の国の政府が勝手に決めただけのものであって、特に生物的な根拠ではなく、政治で都合がよいように変更されたりする。

 実際、この世界でも、国により成人年齢は異なるし、結婚できる年齢も政府の都合で変更される。


 また年齢計算も、日本でも明治時代までは今の満年齢ではなく、数え年が用いられていた。

 数え年とは、生まれた時を1歳とし、正月を迎えると日本人全員の年齢が一斉に1つ増えるというのが正式な年齢計算であった。

 であるから、正月とは、暦が1年進むとともに、個人の年齢が変わる、特別なお祝いの日であった。


 とか何とか、ここにいる娘は成人だぞと、ベッドに腰掛けて自分を納得させている。

 そんなことを心配している俺の隣では、俺にもたれかかって、美味しそうにアイスを食べている。

 うん、何とかしてあげたいな。


「食べ終わったら、今日買った傷口に楽そうなシャツに着替えて寝なさい」


 そう言って、ガガガーン!! 今となって最大の買い忘れについて、気が付いてしまった!


 この部屋って、寝具がこのベッド1つしかないじゃないか!

 買い物が多すぎて、寝場所と寝具の事までは考えが回らなかった。


 俺はリビングのソファーで寝るからって言ったが、


「ヤダ、一緒に寝る」


 って言い出す。

 まだ、この世界で一人になるのが、不安なようだ。


 俺も疲れており、一段落して甘いアイスを食べたので、血糖値も急上昇して眠くなってきた。

 先にサリーにトイレを済まさせる。

 暗くともトイレの場所が判りやすいように、トイレの明かりを残し、扉を薄く開けてたままベッドに戻ってくると、すでにサリーは可愛い寝息を立てて、ベッドの隅っこで眠りについていた。


 やっぱり見知らぬ世界でいきなりいろいろあって疲れているんだろうな。

 しばらくベッドに腰掛けていたが、ソファーで寝るつもりで立ち上がろうとすると、気が付かないうちに俺のシャツの裾をしっかり掴まれていた。

 狸寝入りには見えないので、つかんだまま寝ているようだ。


 しかたなく、いや起こしちゃうから仕方なく、

 俺はリモコンで部屋の明かりを消し、サリーの隣に寝転んだ。


 俺も肉体的にも精神的にも疲れしていたようで、隣で少女が寝ていることも忘れ、そのまま深く落ちていった。



 長い一日が終わりました。

 チョベリクや、スカポロを私も食べてみたいですね。

 お腹もいっぱいになり、初めての夜は熟睡で更けていきそうですね。


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この物語はフィクションです。

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