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1-01-01 第三調洋丸


「はい、では本番始めます。 3、2、1...」


「皆さんこんにちは、カオルチャンネルの時間です。

 わ・た・く・し、ネットキャスターの西野薫が、今日は、なんと船の中からリポートします」


 船からのWeb配信が始まった。

 狭い船室、俺の前でリポートしているのは、我々仲間の薫ちゃんだ。

 彼女は今、俺たちのサーバーから動画配信を行っており、インターネットを経由して世界に映像を配信している。


 俺たちの乗った船は、今日の朝に横浜を出港し、日本の領海を離れた太平上の東の海域に向け、順調に航行している。

 この船は俺がチャーターした調査船で、本来の乗組員さんと俺達の他に、今回の観測を記録するための技官さんに乗船いただいている。


 そして、船は太平洋の公海上に新しく生まれるという島を目指している。

 その目的の海域から一番近い島としては、日本の南鳥島があるが、そこからさらに東へ900km以上離れた、周囲には島影一つない海域である。


 俺たちの広報部署であるカオルチャンネルは、今回の航海の生中継が目的であり、配信後はレポートとしてWebに掲載する予定だ。

 これは、今向かっている海域で見つける島の第一発見者、第一上陸者が俺であることを世界に示す、大事な証拠となる。


 目的の場所には明後日に到着する予定のため、今日・明日は少し余裕ができたので、俺達は今、船のデッキを楽しんでいる。

 この船は調査船であり客船ではないので、甲板には常設のプールなどの施設は当然ない。

 そこで、上陸艇が固定されている甲板に、アメリカンサイズの大型折り畳み式のプールを持ち込んでいる。


 季節は夏に近い事と、周りはすべて海ということもあって、皆開放的な水着などのスタイルで楽しんでいる。

 出港前にショッピングに出かけていたのは、これを買いに行っていたらしい。

 周りの海水を汲み入れ、プールの周りにビーチパラソルやデッキチェアなどを並べることで、たちまち即席のリゾート地に変身し、皆でバカンスをしている。

 さすがに船上でのバーべーキューはやりすぎなのでドリンクレベルまでであるが、なかなか楽しい時間となっている。


 まだ船室で作業を続けている仲間もいるが、それはそれ。

 到着までは、皆自由だ。

 この1年、俺たちは本当に忙しかった。


 忙しかったが、それは将来につながっており、久しぶりの何もしないで良い時間は、自分達へのご褒美だと思っている。

 それは、この船が到着すれば次なるステージが始まるということであり、そこからは再び終わりが見えない作業の始まりであるということも全員自覚している。


 ビキニ姿でキャアキャア叫ぶ娘たちを眺め、俺はデッキチェアでドリンクを飲みながら、せっかくのんびりできたことなので、この1年の事をすこし振り返ってみることにした。


 夏の日差しの下、ゆったりとした時間が流れる船の上は楽しそうですね。

 いよいよ物語が始まるようです。


 ここでの、お話が登場するのはしばらく後になります。 そう物語で1年先です。

 ですので、この続きは、しばらく待ってくださいね。


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本作パラセルと同じ世界をテーマとした新作を投稿中です。

太陽活動の異変により、電気という便利な技術が失われてしまった地球。

人類が生き残る事の為には、至急電気に代わる新たな文明を生み出す必要がある。

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こちらもご支援お願いします。 亜之丸

 

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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[一言] 背景色、自分の好みで見たいので、こだわりがなけば解希望。次ページ行くとき一瞬黒背景に変わって、意識が持って行かれます。。
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