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その一打  作者: 安坂 祐
3/18

三順目 ビギナーズラック

「すみません、1ついいですか」

「なんですか?」

「麻雀って三人でできるんですか?」

「ぇぇ、できますよ。でも、ちょっと普通の麻雀とは異なりますが」

「どんなところですか」

「萬子の二〜八を抜いてやるんです。その分、いい手が回りやすくなってきますが」

「ありがとうございます。ぇぇと、親は誰でしたっけ・・・・」

「新井さんからです」

「えっ、私?」

新井は急いで自分の配牌をとっていった。


「それじゃ、いきますよ」

新井が最初に捨てたのは『發』。三つ揃えると一役もらえる役牌である。

「ポン!」

千佳がいきなり仕掛けっていったのである。

「村山さん、速いですね。それとチーはできませんからね」

チーとは自分より前の順番の人から捨て牌をもらって自分のものにすることである。

この『三人打ち』では早あがりを抑止するためにチーは禁止となっている。

「村山さん、あなたの番ですよ」

「あ、すいません」

千佳は恐る恐る牌をツモる

「うーん、どうしたものかな・・・・・チーは禁止だしこの並びだと

 ツモだけで待ちをよくするのは難しいし・・・・仕方ない。捨てちゃえ」

千佳は仕方なくドラの『南』を切った。あまりにも手牌から浮いているからだ。

「ポン!」

南家である内村も仕掛けていった。ちなみに『南』は内村の風牌である。

しかもそれにドラが三つも乗っている。すでに満貫が確定的になってしまった。

「えっ、嘘・・・・・」

千佳は動揺を隠せない。なんせ、相手に高い手を与えたも同然だからである。

「部長、さすがですね。もう二順目から4役持ってんですから」

「どうかな。村山さんも發もってるから、先にあがられちゃうかもね」

そして千佳の番。

「!!・・・・」

千佳はまたもや同様が隠せない『南』を持ってきたからだ。

「どうしよう、二枚重ねてしまった。とっておけばよかった・・・でも仕方ない捨てよう」

千佳早くも後悔してしまった。


東局も進みに進み終盤に差し掛かってきた。今は新井がリーチをかけている。

「うーん、迷いどころだ・・・・今は新井さんがリーチをかけているから危険なことは

 避けたい。だけど、これが通ればテンパイできる。よし、強気にいこう!」

千佳が牌を捨ててしまったその瞬間―

「ロン!」

新井が牌を倒した。

「リーチ・平和・一盃口・ドラ2 満貫よ」

高めが入り、さらに裏ドラまで乗っている。運もよかったとはいえ、千佳は初っ端から

実力の鱗片を見せ付けられた気がした。


東局も終わったところ、扉がひらいた。藤村亮が帰ってきたのだ。

「あ、藤村君おかえり」

「どうですか部長、調子の方は?」

「あまりよくないね。藤村君も打つかい?」

「いや、続けてて構いませんよ」

ついに南局に入った。親番はあの新井である

「親は新井か・・・・注意したほうがいいぞ。一年生」

亮が千佳に警告する。

「ありがとうござます」


千佳は配牌を見る。

「か、かなりいいじゃん・・・というか、テンパってる」

予想外にも千佳の配牌は一向聴イーシャンテンどころではなく聴牌テンパイ

このまま和れるのである。

(どうやら、かなりいい感じのようね。でも、その顔じゃ丸見え。自分からいい配牌だと言ってるようなものね)

新井は既に千佳を見切っていた。だが、その余裕が自らを死に追い込むこととなる。

「ロンです」

新井の捨て牌に千佳が牌を倒した。

「人和。役満です」

卓上がどよめきを見せた

「ぁぁ、飛んじゃった・・・・」

「ふっ、油断したな新井」

「まさか、役満なんて来るとは思ってないわよ」


「まぁ、奇跡ってことで」

皆が千佳の方を見つめる。

香魚だけが、ポカーンと驚いていた。



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