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その一打  作者: 安坂 祐
10/18

九順目 宿命

「そろそろ説明が始まりますよ」

 部長が皆を集める。

「相変わらず人が多いのね〜」

「そりゃ、そうだろ。なんてたってココの成績で大学リーグのランクに変動があるんだからな。とくに新人は」

「あの・・・『大学リーグ』って何ですか?」

 千佳が恐る恐る聞く。

「大学どうして対局をするときに目安となる、まぁざっと言えば実力の秤だな」

「それがここで決まっちゃうわけですね」

「そうだ。基本ランクはC〜Sまである。これが自分の実力の目安だな。俺はSランク所属だからこれ以上あがることはないがな」

「それって、嫌味かしら」

 新井が亮を睨みつける。

「好きに解釈してくれ」



「皆さんお集まりでしょうか。今回この大学交流戦の運営会長を務めさせていただく樋口です。今回の交流戦は参加人数が非常に多いので、期間を今日合わせての三日間とします。ここには幸い近くに宿泊施設もありますので遠方の方からの方々はそちらをご利用ください。それではルールの方を説明します。1次予選は半荘四回戦の食いタンありの赤無しルールとさせていただきます。原点は30000点。四回やって総合的に点数の多い上位二名が次のステージに進めるということにします。尚、各大学の責任者はシード権があるので今日は対局がないので注意してください。それと2対局目が終わったら20分の休憩を挟んでください。以上です」

パチ・パチ・パチ ― 場内に拍手が鳴り響いた。

「部長はシードか・・・いいな」

「あはは、羨ましいでしょ。だから今日はみんなの対局を見ることにするよ」

「まぁ、ごゆるりと。そんじゃ、俺は対戦表を見に行ってくるからな」

 亮はスタスタとどこかへ消えてしまった。

「もう、勝手なんだから・・・」



「さーて俺の対戦相手っと・・・・あった。何々、珍しい名前の奴がいるぞ。

 『聖護院 楓』って読むのかこれ・・・・しかも対面か」

すると後ろから声が聞こえた。

「わたしの事かしら」

 亮が振り返るとそこには清楚な美人が立っていた。

「あんたがその・・・聖護院さんか?」

「お察しのとおり。それであなたのお名前は?」

「あっ、藤村だ。藤村亮」

「素敵なお名前ですわ。お手柔らかにお願いしますわね」

「こちらこそ」

するとその美人は席に着いた。尽かさず亮も席に着く。

―ふっ、美人だろうが何だろうが卓に着いたら勝負の世界。手加減はしない。

と心を音をたてず激しく燃やす亮であった。


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