一順目 美形の彼
「あっ、いたいた。あゆー」
「『あっ、いたいた』じゃないわよ。どこ行っていたのよ千佳。」
「ごめん、ごめん。ちょっと講義が長引いちゃって・・・・」
「まぁ、しょうがないわね・・・・・それじゃ行きましょ。」
この年、大学に進学した村山千佳は高校からの友達である永山香魚と共に
サークルに入るためにサークル棟をぶらついていた。だが、そんなあって当然
なことが彼女千佳の人生に大きな影響を与えるとは思ってもいなかった・・・・
「はぁ・・・・・・もぅ、疲れたよ香魚」
「何言ってんのよ、あんた。まだ、三つしか回ってないじゃない」
「ちょっち、休憩。休も・休も」
「わかったわ。それじゃ、飲み物買ってくるからここで待ってて」
「ありがとう。助かるよ、香魚」
「1つ言っておくけど、アタシまだあんたの分まで買ってくるとは言ってないわよ」
「香魚のいじわる!」
「冗談よ。それじゃ、行ってくるよ」
「はーい」
そうすると彼女は階段を降りていった。
彼女が消えた直後、謎の機械音が千佳の耳を刺激した。
「あれっ?これ何の音だろう・・・・近くに何かあるのかな?
まだ、香魚来ないだろうし行ってみよう」
千佳はその場から音のする方角へ進んでいった。まるで『探検ごっこ』を思わせる
感覚になってきた。古びた廊下を突き進んだ先にその音の正体を見つけた。
「見つけた・・・・・・この先に私の知らない謎の音の正体があるのね。ぁぁ、何かドキドキ
してきた」
千佳が音のする部屋に近づこうとしたその瞬間―
「いたっ、何するのよ!」
「それはコッチの台詞よ!勝手にこんなところにまで行って、もう」
そこには鬼の形相で仁王立ちしている香魚の姿があった。
「ぁぁ、ごめん・ごめん。何か不思議な音がしたから気になって・・・・」
「不思議な音?」
「そう、何かね『ゴーン・ガシャ・ガシャ』って音がするの」
「この部屋から?」
「うん」
2人とも気になったのかその音のする部屋に恐る恐る近づいた。
―いや、今回の対抗戦はなかなか熾烈だったよ。
―そうですかね?あまり手応えは感じなかったですが。あっ、先輩それポンです。
「何か、声が聞こえるよ」
「『対抗戦』とか『ポン』とか言っていたけど何のことかしら?」
「香魚、地図出して。そうすればここが何のサークルか分かるでしょ」
「はいはい」
すると香魚は大学の地図を小さく広げた
「え〜とね、ここは麻雀同好会かな?」
「麻雀同好会?」
「とりあえず、麻雀をやっているんでしょ。聞いたところ歴史は古いらしいけど
あとこれは噂なんだけど、このサークル美形の男の子がいるんだってさ」
「美形の男の子!」
「おいおい、そこに反応するのかよ千佳さん・・・・」
「いこいこ、入ってみようよ香魚。ついでに美形の彼も見ていこう!」
「はいはい・・・・」
2人が扉を開けようとしたその瞬間
バタッ。いきなり唐突もなく扉が開いてしまった。
「あれ?君たち誰?」
「あっ、あの・・・・・その・・・・何というか・・・・・」
千佳は困惑で言葉が出ない。
「言葉になってないよ。落ち着いたら」
「私たちこのサークルを見学しにきたんです」
「ほぅ、そういうことね。キミ、しっかりしているね」
「いっ、いえ・・・・・そんな・・・・・」
香魚は頬が熱くなって言葉が出ない。
「見学か・・・・・部長、お客ですよ!
君たち、ようこそ『麻雀同好会』へ」
つづく・・・・




