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退屈な日常8
いつも「弟の面倒をみなさい!」って怒られていた。
「お兄ちゃんなんだから弟の面倒を見るのは当たり前でしょ!」って怒られていた。
兄だからという理由で。
2年先に生まれているだけという理由で。
面倒を見なければいけない。
食べ物の取り合いで喧嘩したっけ。
いつも「お兄ちゃんなんだから譲ってあげなさい!」と怒られていた。
俺だって食べたいのに。
俺だってお腹は空いているのに。
いつしか食事をとらなくなった。
勿論、全然取らないわけではないんだけど。
ある時、父親が飲んでいたリボピタンYを飲んでみた。
カフェインのおかげで食事を取らなくても動けるようになった。
いつしか食事をとるヤツはダサいやつだと思っていた。
弟は小太りで、まわりからデブ!デブ!っていじめらていたことがあった。
正直、ザマァ見ろ!と思っていた。
俺は痩せていて、見た目は悪くなかったから弟に勝てて嬉しかった。
弟は太っていたけど野球がうまい。
兄は痩せていてイケメン。
ぶっちゃけそこまでイケメンではなかったけど。
それでも凸凹コンビみたいな感じ。
兄弟揃うとちょっと輝いていて誇らしかった。