退屈な日常6
だってさ、俺、親から何もサポートされてない。
家に帰っても「あんた勉強したの!?野球ばっかりやってても将来役に立たないよ!」って言われるし。
でも2歳年下の弟にはめっちゃ応援している。
超強豪ではない。
だけど地元の割と強豪チームで4番ファーストだから。
足は速くないけど、遅くはない。
肩もすごい強くはない。
だけどパワーが凄い。
硬式の重いボールでホームラン打ったらしい。
俺はバッティングはからっきしだ。
まずボールに当たらない。
ティーバッティングは当たる。
だけど前からくると全然ダメ。
変化球なんて来たらビックリして腰砕け。
ビビってんじゃねぇ!!
と味方に野次を飛ばされて凹む。
弟は実績を出してるから親からチヤホヤされている。
身長180cmあるし、体重80kgはある。
野球は格闘技とは違う。
階級がないから体がデカイ方が有利だ。
勿論、スピードは遅くなりがち。
だけどプロ野球選手はデカくても速い。
弟は明るく周りを盛り上げて冗談も言える。
暗い雰囲気も吹き飛ばす。
メンタルもそこそこ強い。
いいなぁ。
羨ましい。
本当に羨ましい。
俺だって弟みたいに親からサポート受ければできるのに。
身長が高ければホームラン打てるのに。
妬ましい。
本当に妬ましい。
弟なんていなければいいのに。
弟がいなければ俺に親が集中する。
だから俺が成功する。
弟なんていなくなればいいのに。