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退屈な日常16
「白山田、江戸はまたお前にたかろうとしてるぞ」
そう声をかけてきたのは後ろの席に座っている男、冴空鷲だ。
「まぁそういう事だな」俺は短く答える。
鷲は頭の回転が良い男。
多く人間とは群れずに過ごすタイプ。
言葉のチョイスが鋭い。
ブラックユーモアに長けている。
俺は苦手なタイプだ。
まぁ得意なタイプが少ないんだがな。
だが、その生き様は男として憧れる。
俺は自分のカーストを作り、その中でのうのうと生きるタイプ。
鷲はそれを作らずに、誰とも同じように接する。
多少相手によって使い分けて入るようだが、基本は変わらない。
俺達はよくつるんでいる悪友のような存在だ。
別に悪いことをしているわけではないけどね。
一方的に俺がそう思っているだけだが。
似た者同士がシンパシーを感じているのかもしれない。
少なくても俺はそう思っている。