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退屈な日常15
「江戸!相変わらず爆睡じゃねぇか!ノートもとらずにテスト大丈夫なのか?」
クラスで数少ない友達、白山田如庵だ。
典型的な理系。
論理的思考の持ち主。
同い年とは思えない大人びた発言から半分悪ふざけで「大統領」って呼ばれてる。
でも俺はそうは呼ばない。
「白山田、おはよう。久しぶりじゃないか。一時間前にあった以来だな。大丈夫だよ。いざとなったら白山田のノート借りるから」
流行りのニックネームで呼ぶとなんだか負けた気がして嫌なのだ。
こいつにとって特別な存在でありたい。
自分は他とは違う。
他の一般人とは違うんだ。
そういう小さな自己主張からあえて名字で呼ぶ。
とても小さな自己主張。
そしてとても小さな自分の器。